前日の反動や芳しくない機械受注統計の発表を受けて冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年09月08日 16時14分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 8793.12円 △29.71円
売買高 14億6268万株
売買代金 9645億1300万円
値上がり銘柄 959銘柄
値下がり銘柄 512銘柄
騰落レシオ 90.75% △10.17%

日経平均

米国株は大幅高だが、前日の反動や芳しくない機械受注統計の発表を受けて冴えない展開

 欧州金融不安や米国景気鈍化懸念から欧米株が大幅高となったことから日本市場も買い先行となりました。寄り付き前に発表された7月の機械受注が予想を大きく下回ったことや為替は引き続き円高傾向にあるということもあって寄り付きの買いが一巡となると上値の重い展開となりました。それでも外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)がおよそ1カ月ぶりに買い越しと伝えられたこともあり、ここのところ大きく売られていた銘柄中心に値持ちの良い物も多くみられました。「節電エコポイント」関連銘柄などが物色されましたが、買い手も限られ、底堅いながらも上値の重い展開が続きました。

 後場に入ると上値の重さを嫌気するような見切り売りや目先筋の手仕舞い売りもみられ、一時軟調となる場面もありました。「節電関連銘柄」として買われた銘柄等にも軟調となるものがみられるなど値動きの悪さを嫌気するような売りもみられ、冴えない展開となりました。大きく下押すということもなかったのですが、買い手が限られているということで上値も重く、上値の重さを嫌気すると明日のSQ(特別清算指数)算出を控えて買い気に乏しい中で見切り売りも嵩み下げ幅を広げるという状況になりました。

 小型銘柄も見切り売りや手仕舞い売りに押されるものが多く、総じて軟調となりました。東証マザーズ指数とジャスダックTOP20は軟調、日経ジャスダック平均と二部株指数は横ばいとなりました。先物は最終売買日ということでロールオーバー(乗り換え)の動きが主体という感じでしたが、売り方ではなく買い方の見切り売りが多かったような感じです。買っているものは損失を確定、売っているものは明日のSQで処分ということなのかもしれません。いずれにしても相変らず方向感を持っての売り買いは少ないと思われ、目先の需給に振らされているということでしょう。

 結果的に米国市場への反応が非常に鈍くなっています。為替や景気に対する金融当局や政府の姿勢にもよるのだと思います。また、市場参加者も中長期の投資家が全く見当たらなくなったことも、こうした外部環境に反応し切れない要因ではないかと思います。ただ、いずれにしても現状の株価が割安か割高かといえば、景気が悪くならない限り割安感が強いと思われ、欧米景気の鈍化懸念が薄れるということは日本の景気鈍化懸念も薄れるということだと思われ、欧米の金融不安が払拭されれば、日本でも金融不安はないと思ってもいいのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

 転換線に押さえられる格好となりました。ストキャスティックスは底値圏で下げ渋りとなり、RSIも上昇が続いて上値余地もあることから堅調な地合いとなってもよさそうです。転換線にいったんは押されたものの、基準線に押さえられる水準までは戻りを試す動きとなりそうです。

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