コラム
» 2011年09月08日 08時00分 UPDATE

相場英雄の時事日想:そろそろ引導を、“偉い記者”たちに (1/2)

どこの世界にも「ベテラン」と呼ばれる人たちがいるが、大手メディアにいるベテラン記者はなにかと問題が多い。彼らは現場の第一線から退き、記者クラブにいわばサロン的に集まっているのだ。

[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『株価操縦』(ダイヤモンド社)、『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 民主党の新代表が決定した。代表選の裏側や新代表の人物像は他稿に譲るとして、今回は代表選と日本記者クラブ主催の共同会見に触れてみる。

 8月27日、日本記者クラブは代表選に出馬した5候補を招き、それぞれの主張を取り上げた。今回の代表選挙は極めて短期間のうちに執り行われため、通常の選挙よりも各候補の政策、主張、国家観といった内容に注目が集まっていた。だが、会見に接した一般の読者や視聴者は違和感を抱いたはず。「政策」よりも、「政局」が大半を占めたからに他ならない。その原因は、会見を主導した大手メディアの幹部記者の手法にある。

自慢大会

 先の会見を仕切ったのは、日本記者クラブの運営を担う大手紙政治部編集委員など大ベテランだ。換言すれば、旧来の政治報道、すなわち「政局」が第一義だととらえている人たちなのだ。

 取材現場の第一線を退いたあと、社内の出世競争を勝ち上がり、日本記者クラブのかじ取りを任された名誉職に就いた人たちと言い換えることもできる。

 「私は小沢さんではない」――。

 小沢一郎元代表が支持した海江田万里氏に対し、同元代表に関する質問が相次ぎ、候補者が閉口する場面があった。この事象こそ、「反小沢」「親小沢」という視点でしか大手メディアの政治報道が切り口を見出せないことの証左なのだ。

 現役記者時代、筆者は何度も「日本記者クラブ主催」の会見取材に出かけた。結論から言うと、同クラブ主催の会見は苦手、いや、大嫌いだった。なぜならば、各社の大物記者が的外れな質問を繰り出す場面が多かったからだ。

 論点がズレ、話がクドい。「アイツにズバリ言ってやった」的な優越感のみで会見に臨む大ベテラン記者が少なくないのだ。

 せっかく時の人を招いているのに、まともな発言を引き出せないケースも多々あった。また、延々と自説を展開し、他の質問機会を奪う輩も1人や2人ではなかった。本記や雑観を書く現場記者にとっては、いい迷惑だったとの記憶が鮮明に残っている。

 読者の周囲に、過去の営業成績や業界の著名人と会食したなどの成功体験を何度も繰り返す上司がいないだろうか。

 この種のクドい上司像を、先の日本記者クラブ会見に当てはめると分かりやすい。現場の第一線から退き、日々の業務から解放された記者がサロン的に集っているのが日本記者クラブの実態なのだ。

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