信用収縮の動きが続いて大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年09月07日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8590.57▼193.89

<TOPIX>741.20▼14.62

<NYダウ>11139.30▼100.96

<NASDAQ>2473.83▼6.50

<NY為替>77.67△0.88

欧州金融不安や金融機関に対する懸念から信用収縮の動きが続いて大幅下落

 3連休明けの米国市場は欧州での財政問題をめぐる混乱に解決の方向がみえないことや金融機関に対するMBS(住宅ローン担保証券)販売の問題で信用収縮の動きがみられたことなどから売り先行となり、大幅下落となる場面もありました。それでも、午前中に発表されたISM(米サプライマネジメント協会)非製造業景況感指数が予想に反して前月に比べて改善していたことなどもあって、景気鈍化懸念が薄れたこと、また、欧米政府・金融当局の混乱回避への動きもみられることなどから、値ごろ感からの買いや買戻しも見られ下げ幅縮小となりました。

 景気指標が改善したことで景気鈍化懸念は一段落となりましたが、「金融」に対する不安は強まっているようです。FHFA(米住宅連邦金融局)のMBS販売を巡る提訴の問題などは「サブプライム問題」が未だに収束しておらず、金融機関に対する資金供給の問題なども懸念されて「金融不安」が強まり、リスク回避の動きが強まっているということなのでしょう。銀行間レートなど銀行の資金繰りなどは引き続き注意が必要ということでしょう。

 個別には同業を買収するとことで合意したと発表したインターナショナル・ペーパーは大幅高、中国ポータル企業とタブレットPC端末事業で業務提携したデルは小幅高とM&A(買収・合併)などをめぐる動きもあり、堅調なものもみられました。FHFAによる提訴を受けてバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースが大幅安となるなど金融株が総じて軟調となりました。売られすぎ感が強いことや景気鈍化懸念が一服となったことから、キャタピラーは小幅高、アップルも堅調となりましたが、景気敏感銘柄は軟調なものも多く、GE(ゼネラル・エレクトリック)は大幅安となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国市場が休場でしたが欧州市場が大きく下落したことやユーロが売られたことなどから売りが先行、世界的な金融収縮の動きで売られ大きな下げとなりました。外国人も売り越し基調は変わらず、金融不安から売り急ぐ動きもみられるという状況で連日の大幅下落となりました。リスク許容度の低下、信用収縮の動きが強く買い手控えられる中で手仕舞い売りが見切売りがかさみました。

 米国市場は引き続き軟調となったのですが、ロンドン市場が堅調となったり、為替も円安となったこと、また、シカゴ市場(CME)の日経平均先物が日本市場の終値に比べて大きく上昇していることなどから、買い先行となりそうです。特に買い急ぐ理由がみられたということでもないのですが、景気鈍化懸念や金融不安に過剰に反応して売られすぎた感もあり、買戻しや値ごろ感からの買いも期待できそうです。為替はまだまだ円高水準ですが、円高傾向が一段落となったことから、自動車株やハイテク株などの輸出株も買い戻しで底堅い堅調な動きが期待されます。

 日経平均は昨日の相場でも一気に下値の節目とみられる8500円〜600円水準を試す動きとなりました。今度は8500円〜600円水準での底堅さを確認して戻りを試す動きとなってくると思われます。ただ、米国株式市場もまだ軟調となっていることや今後の各国の政府・金融当局の出方をみたいということもあり、上値も重いのだと思います。まだ下値固めということにはならないのかもしれませんが、8800円〜900円水準の節目までは戻ってもよさそうです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.