欧州株安や金融不安から信用収縮の動きが強まって大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年09月06日 16時07分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 8590.57円 ▼193.89円
売買高 21億0132万株
売買代金 1兆2748億8800万円
値上がり銘柄 307銘柄
値下がり銘柄 1248銘柄
騰落レシオ 80.58% ▼0.02%

日経平均

米国市場は休場だが欧州株安や金融不安から信用収縮の動きが強まって大幅下落

 米国市場は休場となったのですが、欧州株が大きく下落したこと、特に金融不安が強まったことから、売り先行となりました。時間外取引(GLOBEX)の日経平均先物も大きく下落していたことや外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が依然として売り越しと伝えられたこともあり、寄り付きから大きく値を下げるものが目立ちました。それでも寄り付きの売りが一巡となると売り飽き気分や目先筋の買い戻しもあって底堅さも見られ、しっかり戻るということもありませんでしたが、指数は小動きとなりました。

 後場に入ると日銀のETF(上場投資信託)買いも期待されましたが、特に買い上がる動きもみられず、昨日同様に下支えとはならず、ユーロが一段と安くなる場面ではさらなる金融不安の高まりを嫌気するように売り急ぐ展開となりました。不動産株や証券株等に見切り売りが嵩み、円高を嫌気してハイテク銘柄等輸出株も軒並み値を崩すという状況でした。内需株といっても信用収縮の動きから建設株等も冴えない動きとなり、債券が買われリスク回避、リスク許容度の低下からの持高調整もみられて大きな下げとなりました。

 小型銘柄も見切り売りが嵩み、大きく値を崩すものも多くみられました。リスク回避の動きで売られ、信用取引の「追い証」のための処分売りのように手仕舞いいを急ぐ動きもあり、下げを加速する場面もありました。東証マザーズ指数やジャスダックTOP20の下げがきつく、日経ジャスダック平均も二部株指数も全て大幅安となりました。先物は午後中ごろまではまとまった売り買いもほとんどみられず指数も小動きとなっていましたが、引けを意識するような時間帯からは見切り売りかオプションのヘッジとみられるまとまった売りもみられ、下げを加速する場面もありました。

 先週末の米雇用統計が大きく取りざたされましたが、昨日も述べたようにやはり金融機関に対する締め付け=訴訟問題が一番大きいと思います。昨日指摘した通り、銀行間の融通レートも上昇しており、それだけリスク許容度が低下するということなのだと思います。ここで早いうちに潤沢な資金供給を示しておかないと、「サブプライム・ショック」「リーマン・ショック」と言われた時とまったく同じことになってしまいます。当時も「モノラインの格下げ」や住宅金融会社の実質破たんなどが資金供給の不足から起こって、スパイラル的に信用収縮=リスク許容度の低下、投資資産、投機資産からの資金引き揚げにつながった経緯があります。今回もG7までに金融機関への潤沢な資金供給が示されるのかどうか、正念場となりそうです。

テクニカル分析

日経平均

 連日の大幅下落で下値を試す動きとなっています。RSIは中途半端な位置から下落となり、ストキャスティックスも高値圏からの下落となっているので、まだ下値を探る動きが続くのでしょう。遅行線が日々線の底値の日柄で底入れとなるのではないかと思います。

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