売られすぎの修正もあって大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年09月01日 18時08分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株高や欧州金融不安が薄れたことなどから買い先行となりました。ブラジルの利下げや中国のPMI(製造業購買担当者景気指数)が5カ月ぶりに改善したことなど、懸念されていた新興国の景気鈍化懸念も薄れて買い急ぐ動きとなったものと思います。外国人売買動向は相変らず売り越しと伝えられたのですが、先週あたりから持高調整の売り一巡感もあり、9月に入ったことで、これまで持高調整の売りに押されていたものも、売り一巡となってくる可能性もあり、値動きの良い銘柄には買い戻しを急ぐ動きも出ているのだと思います。

 まだまだ悲観的な見方が多いようですが、悲観的な見方が出ているうちは相場も堅調な地合いが続くのではないかと思います。株価の下落が悲観的な見方に結び付きさらに株価の下落要因になるという感じです。株価は景気に先行するといわれますが、景気が悪くなるのを株価が知らせるということではなく、株価が下がるから景気が悪くなるという面もあるのではないかと思います。金融政策だけではなく、政策そのものの方向性がみられずに行き当たりばったりの施策に振り回された感じもありましたが、新首相になって、少しは前がみえてくるのではないかと期待するのもいつものことだと思います。

 かつての「郵政解散」のように政策の方向性を示して、目的を持って施策が示されれば、それに合わせて企業が行動しその結果、業績が上振れる企業や銘柄群がわかるということなのだと思います。米国では「景気が悪くなればFRB(連邦準備理事会)が何とかしてくれる」というような雰囲気になっており、安心して企業の投資や個人の消費が行われて景気が回復しているということなのだと思います。

 ですから、日本でも政府・日銀が何とかしてくれるという雰囲気になれば、企業もリストラに走ることなく、投資をすることが出来、投資をすることで景気も回復、リストラの懸念がなくなると個人も貯蓄ばかりではなく消費に向かうということになると思います。本当の意味での金融緩和=いざとなったときに何とかなるのかどうかを示せば、景気も拡大していくのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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