米国では金融緩和期待が根強く株式市場は堅調な展開となりました。芳しくない経済指標も「FRB(連邦準備理事会)が何とかしてくれる」とばかりに金融緩和期待=QE3(量的緩和)期待につながり逆に株式の買い材料となるという状況です。実際にはそれほど景気が落ち込んでいるというよりもセンチメントが下を向いているだけということなので、センチメントが上向けば買いも入ってくるということなのだと思います。
私ごとですが、日曜日に髪の毛を切って、ほとんど「お坊さん」のようになってしまいました。別に出家したということではないのですが、アレルギーがひどくなってきたので、染色のせいではないかと勝手に思い込み、思い切り切ってしまったのです。周りの評判はあまりよろしくないのですが、何となくすっきりとした感じです。株式投資などでも塩漬けの株や信用取引で「しこって」いた株を手放すと何となくすっきりと(本当は大損なのですが)することもあるのですが、なかなか思い切れないことが多いと思います。
ただ、先日も銘柄の診断にいらした方にも言ったのですが、大きく損をしている銘柄を抱えてしまったのですから、「買い値」を忘れて「売り場」「買い場」を探すことが必要ですという話をしました。どうしても今売ると10分の1になってしまったから・・、と言って売れないケースが多いのではないかと思います。ただ、相場と言うものは個々人の買い値を考えて動いてくれるわけではないので、自分の思ったところまで戻るとは限らないということなのです。
ですから、割り切って「売り場」となったら、いくらでも売ってしまうとか、「ナンピン」を考えるのであれば買い値とのバランスを考えるのではなく、その株が「下がったから買う」のではなく「上がるから買う」ということで買い増しをしないと、なかなかうまくいくものではありません。先日来お話をしている先物のシステム売買のように、塩漬けとなった株券を担保に他のもので稼ぐ、という手もあるかもしれません。いずれにしても、いつでもご相談に乗りますので、買い値にこだわらずに見直してみると良いと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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