なぜ格差が生まれるのか? できる社員とできない社員新連載・悩むビジネスパーソンへの“処方せん”(3/4 ページ)

» 2011年08月31日 08時01分 公開
[関厳,Business Media 誠]

 まず1つ目は「発揮場面を意識的に持つこと」である。

 スポーツでいうところの試合のような自分の力を発揮する場面を持つことで、日々の「やる気」が上がり、日々の積み重ねが能力差に繋がっていくことは前述したとおり。仕事においてもこの発揮場面をどんな形でも良いから持つことが重要となる。

 例えば、仕事内容を周囲に発表する機会を宣言するなど、自分なりに発揮場面を作ってしまうのだ。1週間後に発揮場面が迫っていれば「やる気」を持って仕事に取り組める。それは学生時代にテストがあったからこそ一生懸命勉強したことと同じである。逆に言えば、発揮場面がないのに「やる気」を保ち、能力を絶えずレベルアップさせていくことは困難だろう。理想論を言えば、どんな単調な仕事でも努力して能力を磨くというのは正論ではあるが、その根気がある人は少ないのが現実である。

 A社では社員の成長を促すために「部門内発表会」「全社発表会」を頻繁に開催している。具体的には毎月1回、各自が自身の業務成果を「部門内発表会」にて発表し、部門の優秀メンバーを選定する。そして各部門の選抜メンバーが3カ月に1回、全社単位の業務成果発表会に出場する方式を取っている(当然、毎回選抜メンバーが同じにならないように選考方法にも注意をしている)。社員にとっては、月に1回小規模な単位で、3カ月に1回大規模な単位で自分の業務内容を発表する機会があるので、日常業務に適度な緊張感を持って臨むことができるのである。

 2つ目にオススメしたいのは「やる気を示すのは早いタイミング」を意識することである。

 できる社員とできない社員の格差は「わずかな差」で始まるが、その「わずかな差」が「やる気」によって判定されることも少なくない。従って、新しい職場・新しい上司と仕事をすることになった早いタイミングで「やる気」をアピールするべきなのだ。

 「やる気」を表に出したり、自分をアピールしたりするのは苦手だという方も多くいると思うが、アピールはあくまで初期段階だけで良い。一度でも「発揮場面」に恵まれれば、多くの人は「能力」「やる気」「経験」のアップにつながっていき、徐々にであるが「明確な差」がついていく。従って「やる気」をわざわざアピールする必要はなくなるだろう。

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