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» 2011年08月26日 08時00分 UPDATE

吉田典史の時事日想:転職をした人が始めの半年でするべきこと (1/3)

「転職者は1日も早く実績を残すべき」というビジネス書のアドバイスは間違っているという筆者。最初の半年は、仕事をしやすい環境を作ることに注力するべきだと主張する。

[吉田典史,Business Media 誠]

著者プロフィール:吉田典史(よしだ・のりふみ)

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。

著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)など。ブログ「吉田典史の編集部」、Twitterアカウント:@katigumi


 今回は、転職をした人が始めの半年でするべきことをテーマとする。この場合の転職とは20代後半〜30代後半までくらいの、いわゆる「キャリア採用」とする。

 「新しい会社に入った以上、1日も早く実績を残さなければいけない」と言う人は多いが、私は誤りだと思う。転職をして早いうちに仕事の実績を残そうとするならば、まずは上司を始め、発言力のある先輩らの警戒心を解くことだ。その上で周囲と良好な関係を作ろうとする姿勢を演出することが大切だ。

 転職で失敗する人は、この発想がない。むしろ、職務遂行能力が高ければそれで上手くいくと思い込んでいる。これでは、上司や口うるさい先輩らからすると、「あいつ、偉そうに」「おい、つぶしてやれ」となる。

 ここで「受けて立ってやる」と思うのは幼稚だ。会社という組織は、権限を持っている者が勝つ。その人に群がるほうが俄然、有利な仕組みになっている。こういう力関係を下の者が崩すことはできない。力関係は、会社が認めた権限をベースにしている。仕事ができる、できないなどは関係ない。

仕事ができれば認められる?

 「仕事ができれば認められる」と考えるのは、個人事業主の発想だ。会社は、それとは違う論理で動く。個人事業主に上司はいない。人事評価もない。一方で、会社員の優劣は上司が決める。自分で判断することはできない。配属部署はもちろん、担当する仕事すら、自分で決めることができない。

 上司や実力のある先輩らは、重要なキーパーソンと言い切っていい。この人たちを敵に回して転職は成功しない。転職者は新参者。採用試験時では、曲がりなりにも「キャリア」を買われて雇われた。それならば一層のこと、周囲の警戒心を解くことが大切だ。

 先輩らから警戒されないならば、転職は失敗だったと言える。会社は競争社会である。昇格をめぐり競い合い、ときにはつぶし合いをする「闘いの場」なのだ。上司や先輩らが新参者においしい仕事や発言力を奪われるのを警戒し、「早めにつぶしてやろう」と思うのが当たり前。これが、競争社会というもの。競争がない会社は業績が低迷し、給与も賞与も伸び悩む。そんな会社に明るい未来はない。

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