米国株高を受けて売られ過ぎの修正が見られて大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年08月25日 16時12分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 8772.36円 △132.75円
売買高 20億5818万株
売買代金 1兆2862億7100万円
値上がり銘柄 1092銘柄
値下がり銘柄 458銘柄
騰落レシオ 68.12% △4.13%

日経平均

米国株高を受けて売られ過ぎの修正が見られて大幅高

 米国株が大幅高となったことや為替も落ち着いていることから買い先行となりました。寄り付きの買いが一巡となった後は外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が相変らず売り越しということもあって上値も限定的となりました。ただ、昨日と違って持高調整の売りも一巡となったのか、売り急ぐ動きはみられず値持ちの良い展開となりました。昨日まで大きく売られていた自動車株や機械株に大きく戻すものがみられ、ハイテク銘柄等も特に材料はなく、為替も動かなかったのですが、値持ちの良い展開が続きました。

 後場は一段高となる場面もありました。昨日と違って後場になっても売り急ぐ動きはなく値持ちの良さを好感する動きとなりました。上値の重さを嫌気するということがなかったことで、買い戻しを急ぐ動きとなり、指数が上昇することで慌てた買いも多かったということだと思います。ただ、業績面からの割安感を見直すということでもなく、単純に売られたから買われるというような雰囲気でもあり、日経平均の節目とみられる8800円を超えると買い急ぐ動きも止まり、値持ちは良いものの上昇の勢いはなくなりました。

 小型銘柄は主力銘柄の動きが良くなる中で手仕舞い売りに押されるものも多く、上値の重い展開となりました。値動きの良い主力銘柄に乗り換える動きも出ているものと思われ、特に材料のないなかで右往左往するものもみられました。先物はまとまった売り買いも散発的にはみられたのですがこの期に及んでもまだ方向感に乏しい、目先筋中心の動きとなっていました。しっかりと方向感を持って腰の据わった売り買いがみられるということではなく、目先の動きに終始していたということでしょう。

 昨日と状況はほとんど変わらないのですが、金融不安が一段落となったことからリスク許容度が上昇、株式市場は全く違ったものとなりました。金先物価格も米国市場で急落、銀行株をはじめ金融株が軒並み大幅高となるなど、昨日までとは同じ大幅高でもリスク許容度の面からは大きく違っていたということなのだと思います。週末のバーナンキFRB(連邦準備理事会)議長の講演が非常に話題になっていますが、QE3(量的緩和)が示されるのかどうかというよりはFRBが頼りになるのかどうかが注目されます。ただ、それ以前の問題でここのところ大きく騒がれているほど、世界景気は鈍化していないのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

 大幅高となりましたが、まだもみ合いの範囲内で昨日の大きな「包み足」の中での動きです。底入れ感が強まってはいるのですが、少なくともこの大きな陰線を上に抜け、転換線を抜けてこないとはっきりと底入れといえずまだ下値でのもみ合いということになるのでしょう。ただ、RSIもストキャスティックスも底値圏からしっかりと上昇しており、底入れ感が強まっていることは強まっていると思われ、底入れと考えておいても良いのかもしれません。

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