経済指標も予想を上回り、リスク許容度の低下も一段落で買い直されて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年08月25日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8639.61▼93.40

<TOPIX>742.24▼8.15

<NYダウ>11320.71△143.95

<NASDAQ>2467.69△21.63

<NY為替>76.98△0.34

経済指標も予想を上回り、リスク許容度の低下も一段落で買い直されて大幅高

 朝方発表された耐久財受注が予想を大きく上回り、住宅価格指数も堅調となったことから買い先行、堅調な展開となりました。ただ、前日の大幅高の反動もあり、軟調となる場面もありましたが、景気鈍化懸念や金融不安も一段落、週末のFRB(連邦準備理事会)議長の講演で金融緩和が示されることへの期待も依然として強く、買戻しを急ぐ動きもあり、大幅高となりました。

 まだまだ持ち高調整=リスク許容度の低下からの売られすぎの修正が行われているのだと思われます。「景況感」は悪いものの、「景気実態」は決して悪いものではなく、過度な悲観で売られすぎたもの、持ち高調整の売り一巡となったものから買い直されるという状況なのでしょう。ただ、「景況感」の悪さが先行きの不安を増幅する形で、企業業績の慎重な見通しなどに過度に反応する場面もまだみられるのだと思います。

 個別には売られすぎの反動や著名アナリストが売られすぎを指摘したことからバンク・オブ・アメリカが大幅高、連れて、金融不安が薄れたこともあり、JPモルガン・チェースやシティグループ、ゴールドマン・サックスにアメリカン・エキスプレスなど金融株が軒並み大幅高となりました。引き続き利益確定売りや金価格の下落を受けてパブリック・ゴールドが大幅安、ニューモント・マイニングも軟調となりました。過度な景気鈍化懸念が薄れたことからキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)やフォード・モーター、アルコアなど景気敏感株も堅調となり、トール・ブラザーズは予想を上回る決算を発表して大幅高となり、住宅価格指数が前月比で上昇となったこともあり、ホーム・デポも大幅高となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高にもかかわらず、大幅安となりました。前日の大幅高の反動や持ち高調整の売りが続いていること、円高対策の手詰まり感が嫌気されて大きく売られたものと思います。為替が円高気味ということで、好調な業績を示しているものも先行きの懸念が強いことから、買いが入らず、手仕舞い売りに大きく値を下げてしまうということなのだと思います。外国人も引き続き売り越しということで、買い手もみられないのでしょう。

 米国市場が引き続き堅調となったことや比較的為替も落ち着いていることから、日本市場は昨日の大幅安の反動もあって堅調な展開が期待されます。ただ、昨日の下げを取り返し更に上値を追うには政局の不安や政策不在などから、迫力不足となりそうです。次期首相が決まるまでは物色対象も絞りきれず、売られすぎの修正はあるのでしょうが、それ以上の上値は米国金融緩和次第ということでしょう。持ち高調整の売りが一巡となれば、売られすぎた主力銘柄の反発も期待できそうです。金融不安が薄れたことで、米国では金融株が軒並み大幅高となっており、日本の銀行株も配当面からも割安感が強く、買い直されるのではないかと思います。円高傾向に変化はなく、値動きの良い内需関連銘柄も物色されそうです。

 節目となった感のある8800円〜900円水準を試す動きとなりそうです。下値もさすがに8600円を割り込むところまでは売り急ぐ動きもないと思われ、8500円〜600円水準の底堅さは見られるものと思います。8800円〜900円水準まで戻し、その水準での値固めのあと、売られすぎの水準訂正となって9200円〜300円水準まで上昇という展開になるのではないかと思います。円売り介入期待がはげての失望売りは一巡となったものと思われ、円売り介入が見られるようであれば8800円〜900円水準の節目まで一気に上昇となるのでしょう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.