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» 2011年08月25日 08時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:縮む器、ニッポンへの“とてつもない処方せん” (1/3)

ゴルフの石川遼選手や、サッカーの香川真司選手など、海外で活躍するスポーツ選手が増えている一方、日本のスポーツ産業は縮みつつある。今こそ、スポーツ産業に限らず、国家としてもとてつもない目標を立てて進んでいくべき時なのではないだろうか。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など、印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載中。中小企業診断士。ブログ「cotoba


 「日本という器だけでは、彼の存在が収まりきらなくなる」

 ゴルフ記者のジム・マッケイブは、日経Web刊に掲載されたコラム「『石川遼は真のスポーツマン』 米国で評判よんだ姿勢(参照リンク)」で、石川遼選手についてこう締めくくった。

ah_go1.jpg 石川遼公式ブログ

 2011年8月7日、米ツアー自己最高位の4位という好成績でブリヂストン招待選手権を終えた石川遼選手は、その翌週、期待された全米プロ選手権では通算17オーバーで予選落ち。だが、ジム・マッケイブ氏は「2つの点から見て、石川遼には無限の可能性がある」と指摘する。

 1つは全米プロ選手権初日に15オーバーの85という、自身のワーストスコアを出しながら、2日目には2オーバーの72にまとめたこと。その身体能力とスイングのダイナミズムを賞賛する。もう1つはメディア対応の良さ。どんな結果の時でも、きちんと答える姿はラウンドでのプレッシャーに耐える精神に通じる。

 称賛の声は記者だけにはとどまらない。ESPNの記事(参照リンク)によると、タイガー・ウッズ選手(米国)は、「自分が18歳の時よりも格段に優れている。飛距離は自分の方が長かったが、彼のショット能力はなかった」と語り、ブリヂストン招待で優勝した“ホワイト・タイガー”ことアダム・スコット選手(オーストラリア)は、「彼は4年間でものすごいことを成し遂げてきた。たいていのゴルファーなら気が狂ってるはずさ」と言う。

 石川選手は帰国後、朝から走り込みで下半身強化、筋トレ、夕方にゴルフ練習の合宿に入った。鍛え直して国内後半戦での勝利を目指す姿勢は、心身ともにタフだ。「日本という器」には収まりきらない。来年か再来年には米国や欧州だけで戦うようになる可能性も大きい。

 それは日本という器が相対的に小さいだけでなく、今縮んでいるからでもある。

 国内ゴルフツアーは賞金も試合数も縮小傾向。海外メジャーほど高額賞金もなく、難コースも少ない。有力選手にとって、日本の器は小さくなっている。しかも彼らが不在の間、手薄になった選手層のスキを突いて韓国や中国の選手が優勝をさらう。「日本選手の力量の割には賞金が高い」が彼らの本音だろう。アジアの選手にとっても、日本の器は米国という大きな器の入れ子に過ぎない。

 器の縮みはゴルフに限らない。サッカーや野球など、ほかのスポーツからも見えてくる。

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