昇進し続けるために大切な能力、リーダーシップ力を高めよう(1/2 ページ)

» 2011年08月24日 08時00分 公開
[近藤紘,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:近藤紘(こんどう・ひろし)

Clehk Centro Liderazgo y Estrategia SC 社団法人クレックリーダーシップ・戦略センター 社長。早稲田大学商学部卒業。1972年末メキシコに渡る。1973〜1984年メキシコ日産。1996年末までグアダラハラのヤクルト販売会社社長。1997年国際アントレプレナーズカレッジ設立。公立グアダラハラ大学大学院マーケッティング学科にてマーケッティング戦略担当、グアダラハラ自治大学国際学部にて日本関係部門担当、ほか大学で教鞭。


 日本と海外ではかなり事情が違うので、あまり共通性を見出せないかもしれないですが、組織内でのリーダーシップ力が昇進の最大要因、特に上部管理職になればなるほどその重要性が評価されるのはどこの世界でも同じでしょう。こんな話がありました。

 今、課長ですか。それでいつ次長になりたいのですか。

Aさん そりゃ、早ければ早いほどいいですよ。

 次長になれる準備はできているのですか。

Aさん 準備って、特に何もないでしょう。同期の者ですでに部長になっているやつもいるし。私の能力を会社が認めてくれるだけですよ。

 あなたの課の実績はいかがですか。

Aさん 結構いいほうだと思います。

 上司の実績はどうですか(運任せ、上司任せか。一生課長で終わるかもしれないな)。

 誰でも組織の中でどんどん昇進したいでしょうね。でも、子どもが欲しがり方のように、上のポスト上のポストと思っている人、奥さんからのプレッシャーが強くあせっている人には、昇進は普通より遅く来るでしょうね。

 リーダーシップの前にマーケティングもやっていない人、ターゲットがはっきりしていない人にとって、厳しい組織の中での昇進は難しいのが当たり前です。まずは、あなたの能力うんぬんの前に少しマーケティングをやってください。

・あなたの会社でどんどん昇進している人はどんなタイプ、性格、能力の人か。

・今のポストから目標のポストまでの昇進比率は。

・昇進の時期と評価システムは。

・派閥と人脈関係は。

 以上に基づいた昇進計画を作ってみてください。

昇進を戦略的に考える

 次に戦略の構築です。

 会社内でほかの人より強い部分と弱い部分を確認しましょう。強い部分が知識や技能的な面に偏っているとすれば、今の状況では昇進は難しいでしょう。上に行けば行くほど、スペシャリストからゼネラリストにならなければなりません。

 スペシャリスト的な能力だけであれば、最終的には窓際か研修室とか聞こえはいいが企画室勤めとかですよね。会社の性格により待遇はいいかもしれませんが、本当の昇進にはつながらないことが多いでしょう。ですから昇進といっても待遇面の改善か、それとも本当に多くの人を指揮してリーダーシップが発揮できるポストに就きたいのかを明確にする必要があるでしょう。

 自分なりのビジョンや考え方を持っている人は、多くのほかの人に影響を及ぼすポストに就くことは至上の喜びですが、そのための準備ができていない人がそのようなポストに就けば本人にとっても、その人を上司とする部下にとっても悲劇です。

 戦略上最も重要なことは、自分の会社のビジョンやミッション、会社方針を十分理解することです。理論上はこの会社方針に従って高い業績をあげる人が早い昇進を獲得することになりますが、組織はそのように単純には機能しませんよね。明確なビジョンやミッションステートメントがない場合はそれを作るために働きかけるのもいいですね。

 上司からどれだけ信頼されているか、上司の社内への影響力はどれくらいか、どのような社内人脈を構築するか、認められる機会を作るにはどうすればよいか、ということを考えながら、会社が上司が昇進させたくなる環境を作っていくことが大事でしょう。

 セールスと同じです、自分を売り込むためにできれば昇進意欲をおくびにも出さないのが利口でしょう。現在いるところが昇進のために、認められるために不利だと思ったら、みんなが嫌がる地方や海外への赴任を希望したり、最高に効果があるのは自信があれば営業を希望することでしょう。会社の組織や体質にもよりますが、別に自己申告の時期やそのような機会がなくても、人事にそれとなく知らせておくことも一つの方法でしょう。

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