日本の“ゆるふわ女子”が、中国女性にイマイチな理由Wu Yuの中国版“新人類”とうまく付き合う方法(4/6 ページ)

» 2011年08月24日 08時00分 公開
[Wu Yu,Business Media 誠]

 なぜこのように欧米ブランドが多いのかというと、今最も消費活動をしている20代後半〜30代の中国人女性たちが支持しているからです。

 彼女たちはかつて『超級女声』を見て「超女」に憧れの眼差しを向けていた世代。なので「かわいい女性」よりも「かっこいい女性」を目指しています。

 もちろん、日本の化粧品や服のブランドが好きな人もいますが、残念ながらどちらかといえば少数派。日本の女の子たちの間で人気の「ゆるふわ女子」に代表されるふわふわとウェーブした髪や、レースや刺しゅうがほどこされたガーリーな洋服はあまりウケないのです。

 このような「超女」世代の志向をもっともよく言い表しているのが、『超級女声』の宣伝スローガンではないでしょうか。

 「私は、私! 歌いたいなら、歌う! やりたいなら、やる!」――。

 とにかく「私は私なんだ」という「個性」を大切にし、男勝りと言っていいほどのサバサバとした性格。そんな「超女」のDNAは、番組が終了して数年が経過した今も、中国の若い女性たちの間に脈々と受け継がれているのです。

「結婚か?就職か?」という悩みは中国人女性には存在しない

 そんな「超女」世代の性格をよく表しているような出来事が、つい先日、私の周りで起こりました。

 お盆休みの前、日本にいる女の子の友だちから久しぶりに電話がかかってきました。

 「今週の金曜日に中国に帰ることに決めたよ。もう、中国でしか会えないかも」

 3・11の後、日本にいる友人がどんどん仕事を辞めて、帰国したり他の国へと移ったりしているので、それほど驚きはしませんでした。

 ただ、彼女は私と違って日本の大学と大学院を卒業し、日本企業に入社するなど10年以上も日本で過ごしているのに、こうもあっさりと帰国してしまうというのが、私には不思議で理由を尋ねました。すると、彼女はこのように答えました。

 「今までの10年間を振り返って、日本は旅行に来るにはいいが、外国人が住むには適切な国ではないと感じたの。周りはあまりにも落ち着きすぎて、元気がない。今回の3・11の後、さらに元気がなくなった気がするので、あまり好きではないわ」

 私は「そうかな?」と思った反面、彼女の言いたいことも分かりました。

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