欧州金融不安や米国の景気鈍化懸念が根強く、大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年08月22日 08時31分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8719.24▼224.52

<TOPIX>751.69▼15.62

<NYダウ>10817.65▼172.93

<NASDAQ>2341.84▼38.59

<NY為替>76.55▼0.02

欧州金融不安や米国の景気鈍化懸念が根強く、大幅下落

 前日の大幅下落の反動や値ごろ感からの買いも入り堅調となる場面もあったのですが、欧州金融機関に対する懸念が強まったことや米国景気の鈍化懸念も根強く、特に注目される経済指標の発表などはなかったのですが、週末の手仕舞い売りも嵩み大幅安となりました。ハイテク銘柄の事業再編や慎重な業績見通しを嫌気して週末の手仕舞い売りを急ぐ展開となり、大きな下落となりました。ドル安効果などを期待する向きもあったのですが、目先の値動きの悪さを嫌気して売り直され大きな下げとなりました。

 特に売り急がなければならない雰囲気でもなかったのですが、悪材料には敏感に反応し、売り急ぐ対象が広がり、リスク許容度も低下してしまうようです。ただ、週末の買い戻しもあり、商品相場などには落ち着きもみられたことなどを考えるとそろそろ売り飽き気分が強まっても良いところではないかと思います。ドル安メリットや金利安、金融緩和メリットから企業業績の先行きに対して強気な見方も出て来てもいいのではないかと思います。好調な決算には敏感に反応しており、一つ二つ好調な経済指標でも発表されればセンチメントも変わってくるのではないかと思います。

 個別には慎重な業績を見通しを示し、パソコン事業の分離を検討していると発表したHP(ヒューレット・パッカード)が大幅下落、連れてインテルやIBM、アップルなどハイテク銘柄が軒並み軟調となりました。欧州金融不安が取り沙汰されていることや一段のリストラを進めると報じられたバンク・オブ・アメリカも軟調、JPモルガン・チェースなど金融株が売られました。景気鈍化が懸念されハイテク銘柄だけではなく、フォード・モーターやキャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)、アルコアなど景気敏感銘柄は軒並み安く、大幅安となるものも多くなりました。それでもウォルマートやプロクター・アンド・ギャンブルは堅調で、前日の引け後に発表された決算が予想を上回ったギャップが高く、底堅い業績見通しを発表したマーベル・テクノロジー・グループは大幅高となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は欧米株安を受けて売り先行、大幅安となりました。外国人も相変わらず売り越し基調と伝えられ、世界的にリスク回避の動きが強まって、業績動向などに関係なく売られるものも多く見られ、指数も大幅安となりました。下げ渋り底堅さがみられる場面もあったのですが、引け間際に大きな地震があり、大震災の時を思い起こさせ売りが嵩む場面も見られました。

 週末の米国株が大幅安となったことや円高が進んだことなどから売り先行となりそうです。ただ、先週末に地震の影響もあって既に大幅下落となっており、底堅さもみられるものと思います。為替介入に期待する動きもあるのですが、逆にいえば介入がなければ失望感からの売りや見切り売りも嵩むことになりそうです。米国でもハイテク銘柄に軟調なものが多く円高基調ということもあってハイテク銘柄などは値ごろ感からの買い戻しは期待されるものの冴えない展開となりそうです。目先の値動きの良い内需銘柄などが物色されることになりそうです。

 日経平均は8800円〜900円水準での底堅さもみられるのかと思われましたが、地震の影響もあって8700円水準まで売られました。ここからは底堅さもみられるのでしょうが、戻りの鈍さを確認しては売られるということになりそうです。指数に影響の大きな値がさ銘柄などが見切り売りに大きく押されるような場面もありそうで、8500円〜600円水準というところまで下落となる可能性もありそうです。為替に大きな動きが出てこなければ、米国での景気回復が確認できなければ8800円〜900円水準が今度は当面の上値ということになってしまいそうです。

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