入社し、始めの3年間にするべき4つのこと吉田典史の時事日想(3/3 ページ)

» 2011年08月19日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]
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上司が大切にする、仕事の進め方や仕方

 3の「上司や周囲、取引先などから評価される『型』を覚える」であるが、これは1〜2を踏まえると理解ができるだろう。仕事をする上での型(仕事の進め方や仕方)は、あくまで上司が日々、大切にするものをマネするべきだ。独自のやり方を追求するのは、入社して3年の間は早すぎる。それは、素人の無手勝流でしかない。「自主性」という言葉の意味をはき違えている。

 上司が部下を生かすことも殺すこともできるならば、その上司の意向に沿って仕事を進めることが大切だ。経営陣が信用しているのは管理職である上司であり、非管理職の部下ではない。非管理職は責任がさほど問われない以上、このことは素直に認めるべきだろう。

 上司の意向に沿って仕事を進めるためには、上司への報告・連絡・相談をほかの人よりも意識して密にすることだ。その繰り返しで、精神的に近い関係になりたい。上司は接触頻度が多い人を信用する傾向がある。大体、上司が部下を他部署に追い出す時に人事部に言う言葉が「あいつは何を考えているのか分からない」というもの。報告・連絡・相談をさほどすることなく、独自で進めると、上司は「理解不能な部下」としてしか扱わないものだ。

 新卒として入社し3年くらい経った人と話すと、「上司が自分を理解していない」と口にする人がいる。これは誤りだ。上司は部下を理解する義務はない。義務がないからこそ、状況いかんでは他部署に追い出したり、辞める方向に追いやる。これは役員になっても同じこと。社長は役員を理解する義務はなく、正当な手続きを踏めば解任しても構わないのだ。

 会社員をする以上、役職が下にいる人は、絶えず自分を上の人に理解してもらえるように発言したり行動を取る必要がある。「理解してもらえない」ではなく、「理解してもらえるようにする」。この鉄則を忘れないことだ。

 1〜3までがきちんとできる人は入社し、1〜2年以内でもそのレベルでの「勝ちパターンを体得」しているはずだ。例えば、上司から信用されて、上司の息のかかった先輩らからもかわいがられる。そうすると、自然においしい仕事を任される可能性が高くなる。

 例えば、営業部で言えば、契約が取りやすい仕事とか、注目を浴びやすく、評価が高くなりがちな仕事である。つまらなく、評価の低い仕事は得てして生意気で嫌われ者がすることになる。こうして、上司から信用を得た社員は勝ちパターンを少しずつ体得していく。

 こうなると毎日が楽しくなる。職場で注目を浴び、異性からも人気者になる。安定した日々になる。結婚なども早くなり、一段と手堅い人生になっていく可能性が高くなる。それが、さらに仕事にもいい影響を与える。

 1〜4までが上手くいかない人の間に、どんどんと差が生じる。それでいいのだ。勝ちパターンを1つでも多く身に付けて、「勝ち組」になっていくべきだ。入社し、3年間とはいえ、競争社会なのだから。

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