底堅いが景気鈍化懸念も根強く上値も重い清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年08月18日 08時31分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9057.26▼50.17

<TOPIX>776.65▼2.41

<NYダウ>11410.21△4.28

<NASDAQ>2511.48▼11.97

<NY為替>76.56▼0.25

リスク回避の動きが一段落、好調な企業決算を受けて底堅いが景気鈍化懸念も根強く上値も重い

 前日の引け後に発表されたハイテク銘柄の業績見通しが慎重とされたのですが、小売企業の好決算や欧米での金融不安からのリスク回避の動きが一段落となったことで買いが先行、一時大幅高となる場面もありました。ただ、景気の先行きに対しては警戒感も根強く、いったん上値の重さが見られると手仕舞い売りや見切売りを急ぐ動きもあって、一時軟調となる場面もありました。最後は買戻しも入ってダウ平均は堅調となりましたが、ナスダック指数はハイテク銘柄の慎重な業績見通しを嫌気するように軟調となりました。

 引き続き景気鈍化懸念は根強いのですが、さすがに足元の好調な決算発表がみられるとリスク回避の動きが一段落となると売り難くなるのだと思います。業績面から割安感が強い銘柄も多く、いったん売りの流れが止まると買戻しや値頃感からの買いもみられるようです。景気鈍化懸念もQE3の催促という面もあり、好調な経済指標が後一つ二つみられるようであればセンチメントも上向いて、戻りを試すような展開になってくるのだと思います。

 個別には前日の引け後に好調な決算ながらも慎重な見通しを示したデルは大幅安、予想を上回る決算を発表したターゲットやステープルズは堅調となりました。リスク回避の動きが一段落となったことや欧州での金融不安が薄れたことからJPモルガン・チェースなど金融株も高く、原油高を受けてエクソン・モービルなど石油株も堅調でした。景気鈍化懸念が強い一方で売り一巡感からの買い戻しもありキャタピラーは軟調、GE(ゼネラル・エレクトリック)は堅調となるなど、景気敏感銘柄はまちまちとなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が軟調となったことや相変わらず円高傾向にあること、そして外国人も引き続き売り越し基調ということで売り先行となりました。ただ、持ち高調整の売り一巡感や売り飽き気分もあり、インターネット関連銘柄など為替の影響の少ない銘柄などが幕間つなぎ的に買われて堅調となり、指数も底堅い展開となりました。買戻しを急ぐ動きもない代わりに見切売りも限定的という感じで指数は小動き、底堅い展開となりました。

 米国市場は引き続き景気鈍化懸念などから冴えない展開となり日本市場も方向感に乏しい展開となりそうです。為替も円高気味ということで、介入期待はあるものの買い材料とならず、個別企業の決算も足元は好調ながらも先行きに対する警戒感も根強く、売り一巡感はあるものの、新たな買い手や腰の据わった買いは期待し難いと思われます。インターネット関連銘柄が買われたように、為替の影響の少ない値動きの銘柄に買いが集まる傾向が続き、目先の値動きに反応しながら幕間つなぎ銘柄が買われるということなのだと思います。

 引き続きもみ合いの範囲内での動きとなりそうです。しばらくは8800円〜900円を下値、9200円〜300円水準が上値と言う展開が続くのだと思いますが、目先的には9000円を割り込むと買われ、9000円を上回っている状況では売り場を探すというようなことなのだと思います。持高調整の売りが一巡となると9000円台を固めて上値の節目である9200円〜300円水準を目指すことになるのでしょう。

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