リスク回避の動きも一段落となって大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年08月16日 08時39分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9086.41△122.69

<TOPIX>777.12△8.93

<NYダウ>11482.90△213.88

<NASDAQ>2555.20△47.22

<NY為替>76.81▼0.02

景況感は芳しくないものの、大型M&Aを好感、リスク回避の動きも一段落となって大幅高

 朝方発表されたニューヨーク連銀製造業景況指数は予想を下回り、依然として景気鈍化懸念が根強いことを示していたのですが、グーグルによるモトローラ買収の話題などから大型M&A(買収・合併)を好感する動きや先週末にリスク回避の動きが一段落となった流れを受けて買戻しを急ぐ動きとなり、指数は大幅高となりました。景気回復期待が強まったというよりは資金の流れが従来の流れに戻ったという感じで、買戻しや買い直しを急ぐことになったものと思います。

 景況感は芳しくないものの、欧州での金融不安などが一段落となったことでリスク許容度の低下=信用収縮の動きが止まり、再度リスクを拡大するように主力銘柄を中心に買い直しの動きとなったものと思います。スパイラル的に売り急ぐ流れは一段落となったものと思われ、ここからは実際に業績面を見直す動きとなってくるのだと思います。まだ疑心暗鬼なのだと思いますが、株価の上昇がリスク許容度を拡大していくのだと思います。

 個別にはグーグルが買収すると報じられてモトローラが大幅高、連れて再編期待からノキアも大幅高となりました。グーグルは軟調となりましたが、リスク回避の動きが一段落、底堅い景気を織り込むように、インテルや目標株価の引き上げのあったIBMなどハイテク銘柄は買い直されて堅調となりました。欧州での金融不安も薄れたこともあり、JPモルガン・チェースなど金融株が高く、カナダのカード事業会社を売却すると報じられたバンク・オブ・アメリカは大幅高となりました。景気指数は芳しくなかったのですが、売られすぎの修正もあってキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、フォード・モーターなど景気敏感株も高くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国株が大幅高となったことや朝方発表されたGDP(国内総生産)が予想を上回って回復していたことなどが好感されて買いが先行、上値も重かったのですが大幅高となりました。好決算を発表した銘柄が素直に好感されて買われ、売られすぎた主力銘柄も買い戻しを急ぐ動きなどもあって大幅高となる銘柄がみられるなど総じて堅調となりました。お盆休みということで売買高もいまだ盛り上がらないのですが底入れ感も出ているのだと思います。

 米国株が大幅高となったことから日本市場も割安銘柄や売られすぎ銘柄の買戻しや買い直しが続き堅調となりそうです。昨日もまだ疑心暗鬼の相場のなかで上値の重い展開となりましたが、売り一巡感から買い戻しを急ぐ動きとなりそうです。ただ為替が相変わらず円高傾向にあるということで、ある程度上値も限定的となりそうです。先週まで売られすぎた主力銘柄の買戻しや買い直しを中心に指数を押し上げる格好となってくるのだと思います。

 日経平均は8800円〜900円水準での底堅さを確認して次の節目である9200円〜300円水準を目指すことになるのだと思います。円高傾向が続いていることもあり、一気に上値を抜けるということもないのでしょうが、とりあえずは売られすぎの修正ということで9200円〜300円水準を目指すことになりそうです。再度8800円〜900円水準の下値を試すような展開になる可能性もありそうですが、その前に9200円〜300円水準を抜けるのかどうかを試すことになりそうです。

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