好調な企業決算や経済指標の発表を受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年08月15日 07時50分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>8963.72▼18.22

<TOPIX>768.19▼2.69

<NYダウ>11269.02△125.71

<NASDAQ>2507.98△15.30

<NY為替>76.83

好調な企業決算や経済指標の発表を受けて大幅高

 金融不安は根強いものの、朝方発表された小売売上高が2カ月連続で増加、6月の速報値が上方修正されたことなどから買い先行となりました。前日の引け後に発表された百貨店の決算が予想を上回ったこととあいまって、個人消費の好調さを示すものとして好感されて週末の買戻しもあって指数も堅調となりました。消費者態度指数は31年3カ月ぶりの水準まで低下し、上げ幅を縮小する場面もありましたが、値頃感からの買いも入り、堅調な推移となりました。

 週末になってようやく落ち着いた感じですが、まだまだ金融株が軟調なことや、景況感に厳しいものがあることから波乱もあるものと思います。ただ、QE3(量的緩和)期待もあるのですが、足元の企業決算や経済指標はそれほど深刻になるほど悪いということでもなく、景況感=センチメントの悪化が激しいという状況です。実際にQE3が実施されるというよりは「景気が悪くなればFRB(連邦準備理事会)が何とかしてくれる」というような「安心感」が必要ということでしょう。同時に、金融不安が強まることなく、信用収縮=リスク許容度が上昇するのかどうかが注目されます。

 個別には前日の引け後に予想を上回る四半期決算を発表したノードストロームが堅調、投資判断の引き上げのあったヒューレット・パッカード(HP)も高くなりました。ホームデポやウォルマートなど個人消費関連銘柄やキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、フォード・モーターなど景気敏感株も高く、インテルやIBMなどハイテク銘柄も堅調となりました。金融不安が依然として燻っており、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど銀行株は軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株が大幅高となったことから、買い先行となったのですが、外国人が大幅に売り越しと伝えられたことや週末の手仕舞い売り、主力銘柄へのリスク許容度低下に伴う持高調整の売りに押されて軟調となりました。為替が比較的落ち着いていたのですが、介入がなく、日銀のETF(上場投資信託)買いもみられなかったこともあり、手仕舞い売りが嵩んだものと思います。

 週末の米国市場が堅調となったことや為替も政局も少しは落ち着きがみられることから、買い先行となりそうです。ただ、円高であることには変わりなく、信用収縮の動きも終わったという確証もないことから上値も限定的となりそうです。朝方発表が予定されているGDP(国内総生産)が予想(−2.6%)を上回るようであれば、上値を買い上がる動きも見られそうです。落ち着きのない相場展開ですが、底堅さが見られると「バーゲンハンティング」とばかりに割安感が強い銘柄や売られすぎ銘柄は買われるのだと思います。

 日経平均の落ち着きどころを探す格好となりそうです。8800円〜900円水準では底堅さがみられて、底入れ感が強まってくるのではないかと思います。戻りの目処は9200円〜300円の節目ということになりそうで、その水準までの戻りを試しながら底入れ感を強め、そして次の節目である9500円〜600円水準を目指すことになるのでしょう。当面は8800円〜900円水準の底値固めと9200円〜300円水準での上値の重さを確認するような格好となりそうです。

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