ロスジェネ世代の問題が、ないがしろにされている城繁幸×赤木智弘「低年収時代よ、こんにちは」(4)(1/4 ページ)

» 2011年08月12日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 東日本大震災の発生を受け、企業が被災者に対し、特別雇用枠を設けたりしている。もちろん企業が被災者に手を差し伸べるのはいい話なのだが、その一方で働くことができない人たちの問題はどうすればいいのだろうか。このテーマについて、人事コンサルタントの城繁幸さんとフリーライターの赤木智弘さんが語り合った。

震災後、雇用問題に“ひずみ”が生まれている

城繁幸さん

赤木:東日本大震災の発生を受け、企業が被災者に対し、特別な雇用枠を用意したりしています。しかしこれは不公平ではないでしょうか。正社員として雇用した場合、ある程度の期間雇い続けなければいけない。働く人の数をいきなり増やすことはできないので、今年採用してしまうと翌年減らすかもしれない。

城:難しい問題ですね。仕事の流動性が高ければ、それほどの問題にはならないでしょう。なぜなら「今年は大変でしょうからウチで働いてください。しかし来年以降は考えましょう」と言えるから。震災のショックは一時的なので、雇用も一時的に柔軟に対応できればいいのですが……。

赤木:ですね。

城:「正社員」という身分を与えてしまうと、そのまま会社に残ってしまうんですよ。バブル経済が崩壊し、「いまちょっと苦しいので新卒採用を凍結しましょう」「ボーナスは確保しますから」といった感じでやってきた。そのせいで就職氷河期という時代がやって来ました。

 そしてリーマンショックがあり、震災があった。これまで日本の雇用問題は大きく“ゆがんで”いましたが、ここにきてまた“ゆがみ”始めたなあと感じています。

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