一時大幅安となるも機械受注が予想を上回ったことなどから底堅い清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年08月11日 16時11分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 8981.94円 ▼56.80円
売買高 22億3743万株
売買代金 1兆4390億3700万円
値上がり銘柄 784銘柄
値下がり銘柄 757銘柄
騰落レシオ 67.73% ▼2.40%

日経平均

米国株が大幅安となったことを受けて売り先行、一時大幅安となるも機械受注が予想を上回ったことなどから底堅い

 米国市場が再度大幅下落となったことや円高が進んでいることなどが嫌気されて売り先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も相変らず大幅売り越しと伝えられたことも売り急ぐ要因となりました。ただ、寄り付き前に発表された機械受注統計は予想を大きく上回ったことや為替の介入期待から円が弱含みとなったことから寄り付きの売りが一巡となった後は底堅さもみられました。ただ、為替介入が入らないとみると円高が進む場面もあり、いったん下げ幅を拡大する場面もありました。ただ、売り急ぐ動きも限定的で、その後日銀のETF(上場投資信託)買い期待や為替の落ち着きから戻り歩調となりました。

 後場も引き続き戻りを試すような場面もみられましたが海外動向も気になるところで、指数は方向感に乏しい展開となりました。業績が好調ながらも外部環境の悪さ、地合いの悪さに押されている銘柄も多く、新たな売り材料が出たということでもないので、底堅く、底堅さがみられると買い戻しも入りますます底堅くなるという展開でした。結局最後まで方向感はみられなかったのですが米国株の下落の割には昨日戻りが鈍かった分下げも小さくなりました。

 小型銘柄も幕間つなぎ的に買われて堅調、特に材料のないなかで値動きの良さを好感して買われ大幅高となるものもみられました。東証マザーズ指数は大幅高となり、ジャスダックTOP20も主力銘柄がなんちょうとなるなかで高くなりました。二部株指数や日経ジャスダック平均は軟調となったのですが、主力銘柄ほどの下げとなりませんでした。先物はいつものように朝方はまとまった売り買いがみられたのですが、その後はまとまった売り買いは少なく、午後になって持高調整の売り買いはみられたのですが大きく方向付けるようなこともありませんでした。

 せっかく底入れ感が出たと思われたのですが本日の相場ですっきりとした反発となりがたくなりました。あっさりと9200円〜300円水準まで戻り、9500円〜600円水準まで突っかけるような展開を期待していたのですが、まずは8800円〜900円水準での底値固めとなりそうです。大震災直後の下値を試すところの水準であり、昨年8月の安値水準でもあるので、さすがにこの水準からはさらに円高が進むというようなことがなければ、底堅さもみられるのだと思います。ここの水準を割り込んで下値を試すということになれば、世界景気の鈍化がみられるということになりそうです。

テクニカル分析

日経平均

 「たくり足」がダマシとなった感じです。RSIもストキャスティックスも底値圏にあり、大震災直後の安値水準でもあり、底値固めが期待されます。基準線や転換線までの戻りは期待出来るのではないかと思います。

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