為替介入が期待外れに終わり、円高を嫌気して上値も重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年08月10日 17時20分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9038.74円 △94.26円
売買高 22億5891万株
売買代金 1兆5061億5600万円
値上がり銘柄 1291銘柄
値下がり銘柄 302銘柄
騰落レシオ 70.13% △4.28%

日経平均

米国株の大幅反発を受けて大幅高となる場面もあったが為替介入が期待外れに終わり、円高を嫌気して上値も重い

 米国市場が前日の大幅下落の反動やFOMC(米公開市場委員会)の結果を受けて大幅反発となったことから日本市場も買い先行となりました。ただ、昨日の後場からの下げ渋りで反発をある程度織り込んでいたことや為替が円高に振れたことを嫌気して上の重い展開となりました。寄り付きの買いが一巡となった後は相変らず外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が大幅売り越しとなっていることなどもあって手仕舞い売りや見切り売りも嵩み上値の重い展開となりました。

 いったん上値の重さが気になると、為替介入に期待した向きも見切り売りを急ぐ展開となり、上げ幅縮小となりました。後場に入ってからは方向感のない展開となり、動きがなくなるとさらに買い気に乏しくなるというような感じでした。好決算に素直に反応するものもありましたが、好材料でも悪材料でも出尽くし感として売られ、買われる銘柄が多く見られ、業績面や世界の景気動向というよりは目先の需給に反応しているものが多かったのだと思います。為替介入期待が強いなかで介入がないということで失望感からの見切り売りなども出たものと思われますが、相変らず目先の需給に振らされているということなのでしょう。

 小型銘柄も堅調なものが多く、値ごろ感からの買いや値動きの良さを好感する買い、為替の影響が少ないことが好感されて買われるものなどもみられました。物色対象も幅広くなり、指数も軒並み大幅高となりました。東証マザーズ指数、二部株指数、日経ジャスダック平均は揃って大幅高、ジャスダックTOP20は堅調となりました。先物は午前中はまとまった売り買いも散見されたのですが、午後になってからは本当に散発的にみられるだけとなりました。ただ、いずれにしても相変らず持高調整や目先の売買が中心で方向感を持っての売り買いはみられず、指数を方向付けるようなこともありませんでした。

 ようやく米国株の反発に連れて反発となりましたが、為替が円高となっているにも関わらず介入がみられず、戻りも限定的となりました。円高の影響が大きい輸出銘柄などはやはり、買い切れないということで冴えないものも多く、指数の足を引っ張るということになっているようです。ここからは日経平均が9000円を割り込んだところでは買いが入るのでしょうが、為替の介入がないと上値も限られそうです。ファンド筋の信用収縮=リスク許容度の低下が一段落となれば為替も落ち着き、株価も上値の節目とみられる9200円〜300円水準、あるいはそこを一気に抜けて9500円〜600円水準までは戻ると思います。

テクニカル分析

日経平均

 戻りも鈍いのですがしっかりと窓を開けて戻ったことで底入れ感は出たと思います。RSIは下値余地もあるのですが、底値圏で下げ止まった感もありストキャスティックスは底値圏からの反発となっており、戻りを試す動きとなりそうです。基準線までの戻りを試すことになると思われます。

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