「子どもが主役」のApple体験――キッズワークショップの取り組み神尾寿の時事日想(3/4 ページ)

» 2011年08月10日 10時45分 公開
[神尾寿,Business Media 誠]

 店内での撮影会が終わると、いよいよiPhotoを使った編集・制作に入る。ここでは写真の読み取りから編集の方法などが丁寧に説明されて、あとは子どもたちが自由に写真を加工していく。大人に言われたとおりにやるのではなく、子どもの創造性を重視した内容だ。質問があればスタッフが答えるが、子どもたちは操作の基本を学べば、あとは自分の力だけで好きなように創造性を発揮していく。その表情は真剣そのものだ。

店内での撮影が終わったら、今度はiPhotoを使った編集作業へ移る。操作は子どもが主役。基本操作のレクチャーを受けただけにもかかわらず、制作の後半にはサクサクと操作できるようになっていた

 そして加工が終わった写真は、iDVDを使って"オリジナル写真集"としてDVDにオーサリングする。この作業も、スタッフがやり方をレクチャーするだけで、作業は子どもたちだけで行う。この段階になると、子どもたちはMacOSの基本的な操作方法をマスターしているので、簡単な説明でサクサクと制作できてしまう。DVDが焼き上がるまでの間に、イベント専用のケースに名前を書いて、体験終了である。

キッズワークショップの最後は、参加した子どもたちの記念撮影。自分たちで作った作品のDVDは、イベントのオリジナルケースに入って手渡される

「体験すること」でAppleの世界観を伝える

 今回はじめてキッズワークショップに参加して感心したのが、このイベントが「子どもの創造性を伸ばす」というコンセプトで秀逸に作られているだけでなく、その体験を通じて自然とAppleの世界観が伝わるような工夫が随所に凝らされていることだ。

 例えば、レクチャーでは「基本的な操作」を教えるだけで、あとは子どもたちが好き勝手に使いながらMacやiPhotoの利用法を試行錯誤で覚えていくという流れでは、AppleのUIデザインが持つ「統一感」や、それによる「分かりやすさ」、「自ら体験しながら学ぶ」といった思想を自然と感じ取ることができる。子どもが自らMacを駆使してひとつの作品を完成させる過程を通じて、Appleの製品がいかに「創造性を高める使いやすい道具」として優れているかを伝えているのだ。これはTV-CMを100回見せるよりも効果的な「ブランド価値の訴求」といえるだろう。

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