コラム
» 2011年08月10日 08時00分 UPDATE

「十分暗くなれば、人は星を見る」――節電の夏に思い返したい名言 (1/3)

節電で街が暗くなっている昨今。しかし、そのため普段は見えない星を目にしやすくなっている。古来、星は人々に多くのインスピレーションを与えてきたが、今回は「星」が出てくる名言を3つ紹介しよう。

[村山昇,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:村山昇(むらやま・のぼる)

キャリア・ポートレート コンサルティング代表。企業・団体の従業員・職員を対象に「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)を行なう。「キャリアの自画像(ポートレート)」を描くマネジメントツールや「レゴブロック」を用いたゲーム研修、就労観の傾向性診断「キャリアMQ」をコア商品とする。プロ論・キャリア論を教えるのではなく、「働くこと・仕事の本質」を理解させ、腹底にジーンと効くプログラムを志向している。


 全国的に節電の夏。夜の繁華街のネオンや帰宅途中にあるコンビニの店内照明がいくらか控えめとなり、ふと気付くと、月明かりが自分の歩く影を地面に落としている。「月がこんなに明るいなんて」とはどれくらいぶりに思ったことだろう。

 この広大な宇宙は、あるちっぽけな惑星の局所で起こった振動のことなど何も気にかける様子もなく、その運動をただただ続けるのみである。一方、そのちっぽけな惑星の表面にはいつくばう人間は、そうした自然・宇宙が見せる姿や営みに法則を見出し、意味を与えながら強く生きてきた。

 今年の夏は、夜空の星々を見上げながら何か思索をしてみるのにちょうどよい機会ではないだろうか。星は人々に多くのインスピレーションを与えてきた。今日は「星」が出てくる名言をいくつか紹介しよう。

暗い中でこそ見えるものがある

「When it is dark enough, men see the stars(十分暗くなれば、人は星を見る)」――Ralph Waldo Emerson

 この言葉はサラリーマン時代から何となく書き留めていたのだが、リスクを負わず安定した会社員生活をやっている時にはあまりぴんとこなかった。そして独立して8年間が経ち、折々にこの言葉の奥深さが感じられるようになった。

 大企業の威光と資金力のもと、白昼の明るさの中で豪勢に仕事をやっていたのとは一転、独立すると辺りはすーっと暗く恐ろしく静かになる。大企業の名刺でつながっていた人たちは音沙汰がなくなり、不安定やら、不透明やら、不遇やら、不発やら、不調やら、不信やら、不得やら、不具やらが身の周りを覆い、独り丸裸で野宿をするような環境になる。

 まずは衣服になるものを探さなきゃ、火を起こさなきゃ、食うものを手当てしなきゃ、雨風をしのぐ小屋を作らなきゃ、と日々の仕事に没頭する。そんな時に空を見上げると、星がぽつりぽつり薄く輝いているのが見える。

 個人として独立して何の信用も実績もない状態になるとかえって本当の友人、本当の協力者、本当の共感者が見えてくる。暗い中でこそ、人はものがよく見えるし、よく見ようとする。そして見えてきたものの美しさやありがたさがよく分かる。私の場合、独立したことで周辺が十分に暗くなり、本当に良かったと思っている。サラリーマンを続けていたら、それなりに苦労をし、多少の星を見たかもしれないが、おそらく今ほどの星々は見ていなかっただろう。

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