企業合併・統合は中高年リストラのサイン

» 2011年08月09日 08時00分 公開
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著者プロフィール:荒川大(あらかわ・ひろし)

株式会社ENNA代表取締役。「人的リスクマネジメント」をキーワードとして、内部統制対応の人事コンサルティング、IT統制対応の人材派遣、メンタルヘルスのカウンセリングを提供している。


 年末に向けて、企業合併・統合のニュースが増えてくるかもしれません。倒産を回避する方法の1つでもありますし、銀行の意向によって対応せざるを得ない状況になる場合もあります(シェアを担保にするような感じです)。

 経営統合が進むと、重複している職種・サービスの切り捨てが始まりますが、表向きは対等合併でも、銀行査定では差があるわけですから、実際には「対等合併」はないようです。ですので、吸収された側の社員は表面上は冷静にして、心して準備をしなければならないでしょう。

 また、吸収合併した側の社員であっても、合併直前のギリギリの状態で社内の退職勧告対象者だった方は、合併後のドタバタした中で再燃してくるかもしれませんので要注意です。

 リストラ対象となりやすいタイプは……

・ 職場で上司と衝突している人

・ 35歳以上で独身の人(または既婚者で扶養家族がいない方)

・ メンタルヘルスに問題がある人

・ 出向中の人(転籍に発展するケース)

 また、退職勧告を受ける面談が実施された際の対応方法として……

・「辞める気はない。それ以外は何も話せない」とだけ言う

・ 転職斡旋会社の紹介には応じない(後戻りできません)

・ 業績で詰問された場合、カッとせずに問題点を聞く(会社業績が悪いためなので、全社員解雇ではない基準を確認)

・ 出向・転籍には応じない(同意なく実施できないため)

・ 労働組合に相談する

・ 労働基準監督署に相談する

 とにかく、冷静に、書面が交わされるまでは通常通り仕事をするのが一番です。また、書面が交わされても、地位保全などの対応策がありますので、あくまでも不利な環境だけは作らないようにして下さい。

 基本的には、労働組合への相談がよろしいかと思います。次に弁護士。社会保険労務士は企業側に付いていて、訴訟対応もできませんから難しいでしょう。最後に労働基準監督署。いずれも本人が動かなければなりません。(荒川大)

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