「仕事=会社名」――この観念をなくさなければいけない城繁幸×赤木智弘「低年収時代よ、こんにちは」(3)(5/5 ページ)

» 2011年08月09日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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福島第1原子力発電所原子炉建屋上部空気中放射性物質のサンプリング状況(1号機、出典:東京電力)

城:こうしたシステムをつくりあげると、子どもたちは「自分が就職するのは公務員や東電ではないんだ。現場で働く仕事もあるんだ」と感じ取ってくれるようになると思う。

 日本は「新しいシステムをつくりあげなければいけない」タイミングにきていると思う。新しいシステムをつくりあげれば、子どもにこのように言うことができます。「働くというのは会社で選ぶのではなく、どんな仕事をするのかで選べ」と。

赤木:東電を潰してしまうと、社員はもちろんのこと、関連企業の家族まで路頭に迷わせることになる。しかし社会保障が充実していれば、潰せるのではないでしょうか。ダメな企業はきちんと潰せるようにしておかないと、「仕事=会社名」という構図はなかなか変わりません。実際、会社名で守られている、今の状況というのはやはりおかしいんですよ。

 →続く

プロフィール

城繁幸(じょう・しげゆき)

 人事コンサルタントを務めるかたわら、人事制度、採用などの各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。著作に『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社新書)、『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか−アウトサイダーの時代』(ちくま新書)、『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』(PHP新書)ほか。

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赤木智弘(あかぎ・ともひろ)

1975年8月生まれ、栃木県出身。長きにわたるアルバイト経験を経て、現在はフリーライターとして非正規労働者でも安心して生活できる社会を実現するために提言を続けている。

著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』(双風舎)、『若者を見殺しにする国』(朝日文庫)、『「当たり前」をひっぱたく』(河出書房新社)がある。ブログ「深夜のシマネコ」、Twitter「@T_akagi


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