子どものころ、親からこのように言われた人も多いはずだ。「しっかり勉強しなさい。そしていい大学に入学して、大きな会社に就職しなさい」と。確かに偏差値の高い大学を卒業すれば、大企業に就職できる可能性は高くなるだろう。
しかし「いい大学、いい会社=いい人生」といった考え方を、そろそろ改めるべきタイミングに来ているのではないだろうか。この問題について、人事コンサルタントの城繁幸さんとフリーライターの赤木智弘さんが語り合った。
――お2人は地方から東京に出てこられました。城さんは山口県から、赤木さんは栃木県から。いつごろ「上京しなければいけない」という気持ちになったのでしょうか?
赤木:僕は高校を卒業し、東京に出てきました。専門学校に通うという名目で、東京に出てきたんですよ。専門学校に2年通い、その後はバイトをしながら東京にいたのですが、金銭的に苦しくなって。2000年に栃木に戻り、コンビニでアルバイトをしていました。そのときに『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』を書き、ある程度生活ができるようになったので、再び東京に戻ってきました。それが3年前ですね。
栃木にいるときも、ずっと「東京に戻りたい」と思っていました。僕はあまり地方のコミュニティに染まっていなかったので、ずっと「出たい、出たい」と思っていました。親と一緒に暮らすよりは、できるだけ早く独り立ちをしたいという気持ちが強かったですね。ひとつ屋根の下で家族が仲良く暮らす……といったイメージは僕にはありません。
なぜ東京か? と聞かれても、自分でもよく分からないですね(笑)。
城:僕は山口で生まれ育ちました。高校は地元の進学校に通っていて、多くの学生は「勉強して、いい大学に入学しなければいけない」と思っていました。「いい大学」となると、都市部にある大学になってしまう。僕の場合は地方を出たいというより、東京に行かなきゃといった感覚が強かったですね。つまり「ゴールが東京」だったわけですよ。
で、大学に入学したのですが、そこで何をすればいいのか分からなかった(笑)。
赤木:ハハハ。
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