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» 2011年08月08日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:契約書を読んでいる人、手を挙げて! (1/2)

現代社会ではさまざまなシーンで、契約書にサインをしたり、はんこを押したりすることが求められるようになっています。しかし、そうした契約内容を本当に理解して、はんこを押している人はどれだけいるのだろうかと、ちきりんさんは問いかけます。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2005年10月19日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 最近は普通に生活するだけでも、法的効力を持つ、さまざまな書類にサインや同意、はんこを求められますよね。例えば……

(1)不動産を取得&売却した時

 自宅マンションを買った時、販売契約、ローン契約、抵当権設定、登記関係、委任状、保険契約など多数の契約書に実印を押しました。一応すべてに目を通しましたが、当時は仕事も忙しく、帰宅後、深夜に難解な文書を読むのは苦痛な作業でした。

 住宅ローンを払い終えて抵当権を解除する時は自分で手続きしたのですが、この時は法務局の職員の方に教えられるままに書類を作りました。「よく分からないけど、これでいいらしい」という感じです。不動産の売買やローンを組むというのは、まさに「契約作業」なのだと実感しました。

 不動産よりはマシでしたが、クルマを購入した時もあれこれ書類を作った記憶があります。

(2)国際機関に就職しようとした時

 20代のころですが、この時は中学校の卒業証明書から成績証明書、さらに「その学校は中学校である」という証明書まで求められて笑えました。その上、面接のプロセスが進むごとに「次はこの書類を用意して下さい」と次々と提出が必要な書類の一覧表が渡され、「これは私には合ってない仕事だ……」と気が付いて、途中で応募をやめました。

 教育制度がまったく違う世界中の国から応募がある国際機関では、履歴書に書いてある学校が何年間の学校なのか、義務教育なのか、いちいち証明書が必要というわけです。

 でも、そういった背景を考えても、求められた書類の量は尋常ではありませんでした。日本も多額の資金を国際機関に拠出していますが、それらの一部はこういった提出書類をチェックする人の人件費になっているのでしょう。

(3)許認可や補助金をもらう時

 許認可や免許の必要な事業を始める時の手続きはあまりに複雑で、多くの場合、その分野に明るい弁護士の支援が必要になるし、書かれたルール(法律など)を読んだだけでは理解できず、役所の担当者に直接教えてもらう必要があります。

 株式会社の設立については昔よりはかなり簡素化されましたが、それでも何だかんだと役所に通わされた経験のある方も多いでしょう。

 また、たかだか“バリアフリー・リフォームの補助金を申請する”というレベルのことでも、それなりに複雑な手続きが必要です。本来は単身高齢者のための補助金なのに、「高齢者1人じゃとてもこの手続きはできないでしょ?」と思えるような事務処理を求められます。

(4)ソフトウエアを買う時やネットサービスを利用する時

 インターネットの世界も、すぐに「同意」を求められますよね。延々とスクロールをする必要のある長い文章を読んで(?)、「同意する」というボタンを押さないと何ひとつ始まりません。特に金融取引をする際に求められる確認文章の量は膨大です。

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