35歳になった時に心得ていないと、ヤバイこと吉田典史の時事日想(2/3 ページ)

» 2011年08月05日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]

会社員が意識を高める方法

 なぜ、彼らは仕事への意識が低いのか。それは、人とのしがらみの中で仕事をすることをしていないからだ。例えば、取引先から何かを言われると、「ウザい」として仕事を放棄してしまう。会社員の時は、上司から厳しいことを言われると辞めてしまう。明確な考えもなく、会社を数年ごとに転々とする。

 それでは、仕事への意識は高くならない。人は、人と接する中で喜びを感じたり、怒ったりする。それが成長につながる。上司との関係もこれに似ている。上司から叱られたり、嫌味を言われると、部下は悩んだり、腹が立ったりする。これが大切なのだ。

 その過程で、「見返してやる!」とか「こんちきしょー」と思う。それが繰り返されると、いつしか、その人の意識となり、「経営資源」となっていく。会社を離れた身になり、つくづく思うのだが、怒ってくれる人がいることは恵まれた身なのだ。

 会社員は意識を高めるためには、上司や周囲の社員などと深く接すること。そして「これがいい」とか「こうするように」とフィードバックを受けることが大切だ。このようなことから逃げてしまうと、いつまでも意識は高くならない。

 この意識が低い人は、独りよがりな空間に閉じこもりがちだ。それで例えば、ビジネス書を買いあさり、“職務遂行能力”を上げることに躍起になる。しかし、これでは組織の一員として大切なものを見失ったままとなり、大きな成果に結びつかない。上司から認められない中での職務遂行能力とは一体何なのか、と私は思う。

 上司と深く関わると、問題が起きることもある。例えば、営業部にいたとしよう。そこで得意先にA商品を売り込むとする。上司に報告すると、「B商品にしろ!」と言われることがある。これが続くと、部下は不満になる。感情的な対応をすることもある。それで上司とぶつかる可能性がある。

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