ちょっと変えれば、もっと楽しい――IKEAが提案する“3畳”のカタチ郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2011年08月04日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

細部に楽しいアイデアがいっぱい

 「女の子がみんな喜ぶ、あこがれと夢がつまった子ども部屋」は創造的な子供が育つ。

 MINNEN伸縮ベッド、STUVA収納ユニットを中心に白で統一した。机上のお絵描き用ロールペーパーはいつでも絵が描ける。落書きできる壁もいい。右の壁の巣箱のような分別ゴミ箱はサステイナブル教育にもなる。ベッドキャノピー(天蓋)を見て、「ああ女の子っていいな!」とため息。可愛いモデルさんたち、ありがとう。

「女の子がみんな喜ぶ、あこがれと夢がつまった子ども部屋」

 「大人の女性のための洗練されたベッドルーム」はコットンとウールで統一した落ち着いた空間。ヘッドサイドの収納付きドレープに思わずうふふ。和室仕様の紙のランプシェードVARMLUFT/ヴァルムルフト(新製品)もいい。和洋が見事に折衷していた。

「大人の女性のための洗練されたベッドルーム」

 次は「女性シェフがインスパイアされるプライベート空間」。コンセプトイメージは、料理教室を自宅で開く女性シェフが、教室の扉の向こう側で“自分を取りもどす部屋”。実際に料理研究家の井上真里恵さんにヒアリングしたそうだ。

 井上さんは家でいつも仕事。新メニューの開発、試作品の料理、試食、作り直しで忙しい。そんな彼女の希望は「料理のインスピレーションを得るワークスペースが欲しい」。

 EKTORPアームチェアでゆったり料理本を読む。HEMNESキャビネットにはスパイスや器、秘蔵の鍋を収納。壁に貼ったレシピや料理の撮影画像からアイデアを得る。小さな小部屋が休息と発想の空間になる。

「女性シェフがインスパイアされるプライベート空間」

 ヒアリングとデザインは、スウェーデンから来日したデザイナーEmma LangeさんとSigrid Kjellさん。スモールスペースのデザインを得意とする2人は、誰がどのように住まうか、プロフィールを明確にして住空間を作った。だからこそ「収納アイデア」や「機能追求」を越えた独自の楽しさが詰まっている。

 だがスカンジナビアの家具で日本の3畳に住む。そこにどんな意味があるのか?

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