東京大学工学部卒。東京大学大学院学際情報学府修了。経営コンサルティングファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、国内大手PE(プライベートエクイティ)ファンド、アドバンテッジパートナーズに勤務する。その中で、「低迷する日本経済」「社会保障制度の崩壊」を見て、「今、自分がほんとうにやるべきことは何か」を考え抜いた結果、2010年6月に退社。妻と2人で、株式会社S&Sinvestmentsを立ち上げる。2011年6月に初めての著書『20代で知っておきたいお金のこと』を出版。
金融のプロとして培った最先端のスキルを、若い世代を中心とした個人のファイナンシャルリテラシー (お金に関する知識)向上に役立てるべく、セミナーやコラム執筆など多方面の活動を行なう。雑誌・ラジオなどメディアにも多数出演。
東日本大震災の発生後、日本の金融市場はますます不透明さが増してきました。震災前、日経平均株価は1万400円ほどでしたが、3月15日の終値は8605円(終値)と今年の最安値を付けました。その後、徐々に回復し、震災前のレベルである1万円前後で推移していましたが、8月3日の終値は9637円でした。
下記に、東証の業種別株価指数 (全33種)の価格変化をまとめました。株価が上昇している業種には、円高により仕入れ原価が安くなるゴム製品/鉱業のほか、震災復興の特需が期待される建設業が並んでいます。一方、株価が低迷しているのは、原発問題を抱える電気・ガス業界に加え、取引高の低迷が不安視される証券・先物取引業界や、保険金払いの拡大が懸念される保険業界など、震災特有の課題を抱えている業種が並んでいます。また、その他製品や鉄鋼を筆頭として、円高に影響を受ける輸出業種のパフォーマンスもさえません。
上昇トップ8業種(3月11日〜7月15日)
順位 | 業種 | ― |
---|---|---|
1 | ゴム製品 | 9.2% |
2 | 鉱業 | 8.4% |
3 | 建設業 | 7.0% |
4 | 小売業 | 3.9% |
5 | 金属製品 | 3.2% |
6 | 機械 | 0.4% |
7 | 食料品 | -0.3% |
8 | 精密機器 | -0.8% |
下降ワースト8業種(3月11日〜7月15日)
順位 | 業種 | ― |
---|---|---|
1 | 電気・ガス業 | -37.0% |
2 | その他製品 | -20.2% |
2 | 証券・商品先物取引 | -20.2% |
4 | 海運業 | -18.0% |
5 | 保険業 | -13.8% |
6 | 不動産 | -9.6% |
7 | その他金融 | -8.7% |
8 | 鉄鋼 | -8.1% |
原発を除いて、震災の被害状況がある程度明確になりつつあるので、下落傾向が続いていた業種の株価も徐々に回復していくでしょう。それに対して、今の円高局面はしばらく続くと考えられ、製造業を中心とした、輸出産業の不振は続いていくと考えられます。
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