コラム
» 2011年08月04日 08時00分 UPDATE

新連載・岡村流、30代から始めるグローバル投資術(1):デフレが終わり、物価が上昇するワケ (1/4)

「日本経済は低迷しているのに、なぜ円高が続いているのか」。こうした疑問を感じている人もいるのでは。現在の円高局面を読み解くカギは「デフレ」。そして筆者の岡村氏は5〜10年後にデフレは終わり、物価が上昇するという。その理由は……。

[岡村聡,Business Media 誠]

著者プロフィール:岡村聡(おかむら・さとし)

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東京大学工学部卒。東京大学大学院学際情報学府修了。経営コンサルティングファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、国内大手PE(プライベートエクイティ)ファンド、アドバンテッジパートナーズに勤務する。その中で、「低迷する日本経済」「社会保障制度の崩壊」を見て、「今、自分がほんとうにやるべきことは何か」を考え抜いた結果、2010年6月に退社。妻と2人で、株式会社S&Sinvestmentsを立ち上げる。2011年6月に初めての著書『20代で知っておきたいお金のこと』を出版。

金融のプロとして培った最先端のスキルを、若い世代を中心とした個人のファイナンシャルリテラシー (お金に関する知識)向上に役立てるべく、セミナーやコラム執筆など多方面の活動を行なう。雑誌・ラジオなどメディアにも多数出演。


 東日本大震災の発生後、日本の金融市場はますます不透明さが増してきました。震災前、日経平均株価は1万400円ほどでしたが、3月15日の終値は8605円(終値)と今年の最安値を付けました。その後、徐々に回復し、震災前のレベルである1万円前後で推移していましたが、8月3日の終値は9637円でした。

 下記に、東証の業種別株価指数 (全33種)の価格変化をまとめました。株価が上昇している業種には、円高により仕入れ原価が安くなるゴム製品/鉱業のほか、震災復興の特需が期待される建設業が並んでいます。一方、株価が低迷しているのは、原発問題を抱える電気・ガス業界に加え、取引高の低迷が不安視される証券・先物取引業界や、保険金払いの拡大が懸念される保険業界など、震災特有の課題を抱えている業種が並んでいます。また、その他製品や鉄鋼を筆頭として、円高に影響を受ける輸出業種のパフォーマンスもさえません。

上昇トップ8業種(3月11日〜7月15日)

順位 業種
1 ゴム製品 9.2%
2 鉱業 8.4%
3 建設業 7.0%
4 小売業 3.9%
5 金属製品 3.2%
6 機械 0.4%
7 食料品 -0.3%
8 精密機器 -0.8%

下降ワースト8業種(3月11日〜7月15日)

順位 業種
1 電気・ガス業 -37.0%
2 その他製品 -20.2%
2 証券・商品先物取引 -20.2%
4 海運業 -18.0%
5 保険業 -13.8%
6 不動産 -9.6%
7 その他金融 -8.7%
8 鉄鋼 -8.1%

 原発を除いて、震災の被害状況がある程度明確になりつつあるので、下落傾向が続いていた業種の株価も徐々に回復していくでしょう。それに対して、今の円高局面はしばらく続くと考えられ、製造業を中心とした、輸出産業の不振は続いていくと考えられます。

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