景気鈍化懸念から売りが先行、ほぼ全面安で指数も大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年08月03日 20時28分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9637.14円 ▼207.45円
売買高 18億1930万株
売買代金 1兆3108億3500万円
値上がり銘柄 91銘柄
値下がり銘柄 1538銘柄
騰落レシオ 95.05% ▼10.35%

日経平均

米国株安や円高、世界的な景気鈍化懸念から売りが先行、ほぼ全面安で指数も大幅安

 米債務問題は一段落となったのですが、今度は芳しくない経済指標の発表を受けて世界的な景気鈍化が懸念されて売り先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も売り越しと伝えられたこともあり、大幅安で寄り付いた後も戻りは鈍く、戻りの鈍さを嫌気して手仕舞い売りや見切り売りが嵩む場面もあり、指数も一段安となる場面もありました。中国の利上げを懸念する動きや欧州金融不安に対する懸念もあり、買い気に乏しい中でほぼ全面安となりました。

 後場も買い気に乏しい展開はかわりなく、大幅安で指数は小動きとなりました。前場同様に好決算を発表してもいったん買われた銘柄を買い直すこともなく、芳しくない決算を発表して売られた銘柄は売り直されるというような状況で、相場の地合いの悪さがますます地合いを悪くしているような感じでした。為替の介入期待から底堅さもみられ、為替が落ち着いていることから買い戻しなどもみられて総じて底堅さもみられ、下げ幅縮小となる場面もあったのですが、買い戻しを急ぐほど売り込んだということでもなく、最後まで方向感に乏しい冴えない展開が続きました。

 小型銘柄も見切り売りが続き大幅安となるものが多くみられました。主力銘柄ほど買い戻しもない代わりにこの期に及んでは売り急ぐ動きもありませんでした。東証マザーズ指数とジャスダックTOP20は軟調というに止まり、二部株指数、日経ジャスダック平均は、主力銘柄ほどの下げではないのですが、大幅安となりました。先物も相変らずまとまった売り買いが断続的にみられるようなこともなく、まとまった売り買いが出る場面で指数が振らされることはあっても先物が指数をしっかりと方向付けるというようなこともありませんでした。

 米国株安に反応した格好ですが、米国景気だけではなく、欧州の金融不安、中国やインドのインフレ懸念と「いつも通り」の懸念材料が取り沙汰されたということだと思います。加えて、それにともなって日本では円高が懸念され、個別企業の好決算には反応しきれないということなのだと思います。「いつものこと」というような見方、楽観的な見方で今のところは良いのではないかと思われ、好決算銘柄や多少の円高でも業績の上振れが期待されるような銘柄が買われることになるのだと思います。

テクニカル分析

日経平均

 急落となりましたが、雲にサポートされた格好です。遅行線も日々線にサポートされており、反発が期待されます。ただ、ストキャスティックスは底値圏にあるのですが、RSIはまだ下値余地もあり、遅行線は日々線を割り込んでしまいそうです。それでも日々線が雲にサポートされて底堅さは見られるものと思います。

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