――受験の内容は海外のビジネススクールと同じなんですか?
谷本 基本的には一緒です。KBSに関して言うと、ハーバード・ビジネススクールと提携しているので、入試やケースメソッドはハーバード方式を踏襲しています。ケースはハーバードのものを和訳して使う場合と、KBSオリジナルを使う場合と半々。入試はエッセイみたいな小論文と面接というプロセスでした。GMATもTOEFLもありません。
――海外に行くよりはラクですか?
谷本 テストと準備が少なくて済むというのはありますが、ラクかどうかはどちらとも言えないと思います。
――大学も慶應義塾大学だったんですか?
谷本 はい、文学部英文科です。そういう、ビジネスとは無関係なところにいたんです。でも、そもそも大学入る時って、目的意識がそんなに明確になっていないわけで、何となく英語とかそういうのがいいなと思って入ったんですけど、学校に入ってから、私個人は文学とかよりは、ビジネスとかそういう方面が好きだったというのが分かって、じゃあもう1回ちゃんと勉強しようと。ビジネススクールへ行ったのはそういったことも背景にあったんです。
――KBSではハーバードと同じメソッドを? 基本的に実践型だと聞いていますが。
谷本 特に1年目はまったく同じだと思います。もう、ケーススタディばっかり。最初は会計とか仕訳とかそういう作業もしますけど、それもある程度終わったら、ずっとケース、そしてディスカッションという感じでした。
ハーバード流の厳しい点は、相対評価なんです。必ずクラスで1割ぐらいはCがつく。そうして点数化して、ある一定の点を超えてないと退学になっちゃうんです。善し悪しあると思いますが、そういうので競争意識を煽るようなやり方も、そのまま用いられていましたね。私のころだと1割くらいの生徒がいなくなりました。最後まで頑張って届かない人もいれば、最初の3カ月くらいで見切りをつけて自分から辞めちゃう人とか。
――大学4年の夏に入学を決めて、翌年4月に入学したんですか?
谷本 はい、日本のビジネススクールの期は、4月から翌年3月です。ですから普通に大学を卒業して大学院に行くのと同じような感じで、2年間ビジネススクールへ通いました。
――ビジネススクールに行こうと思ってから試験までの間に、特別な準備はされましたか?
谷本 何もしなかったですね。ビジネス系の本とかはもともと好きだったから、勝手に読んだりはしてましたけど、それくらいですね。でも、特にビジネス系の、例えばマーケティング理論とか戦略論とかって、1回読んで分かるようなものではないので、そういう意味では、読んですぐ身に付きはしませんでしたけど、同じような本をビジネススクールへ行ってから再度読んだりするので、予習という意味では良かったです。より理解が深まるし、ピンとくるものがあるので。
特に私の場合は、学生からじかに行っちゃったから、つねに耳年増なんですね。当時のKBSってとても小さくて、1学年80人で、そのうち5%くらい、つまり5、6人が学部卒で来ていて、あとは社会人経験者。で、そのうちの7割方が企業派遣なんです。
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