好決算銘柄も多いのだが、米国株安を嫌気して大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年07月28日 16時16分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅安となったことから朝方から売りが先行、大幅安となりました。好調な決算や思ったほど悪くない決算を発表する銘柄も多いのですが、値持ちが悪く、決算発表された日、次の日などは素直に反応して高くなるものも多いのですが、2〜3日買いが続くこともなく、相変らず限られた市場参加者の中で売り買いしているという感じです。

 為替や米国株への反応も鈍かったのですが、さすがに米国株が大幅下落となった要因が単純に債務上限問題と言うことだけではなく、景気鈍化懸念などがあると日本でも反応するようです。為替への感応度も鈍くなっていますが、1ドル=70円台が続くと懸念も強まるということでしょう。日本では相変らず、政策の方向性は全くみられず、個々の企業努力をどのように評価するかが株価に反映しているようです。

 米国での債務上限問題も日本の政局と似ていて、結局は落ち着くのでしょうがぎりぎりのところまで政治家のパフォーマンスに振り回されるということなのでしょう。デフォルトになるのではないかと懸念も根強いのですが、個人的には「チキンレース」と同じでぎりぎりのところまでお互いに強気を言っていながら、最後は自分がヒーローであるかの如くふるまって収拾するということなのだと思います。

 米企業の決算や経済指標にしても悪いと言えば悪いのですが、それほど悪くないとみれば悪くないというような感じで、日本市場と同じように株価が軟調となると悪いということになり、株価が見方を変えているような面もあるのではないかと思います。また、声の大きな方の言い分が通るような感じで、結果論からの言ったもん勝ちのようなことではないでしょうか。ここはじっくりと落ち着いて評価していくべきだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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