売りが先行、好決算銘柄も何とか10000円水準を維持清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年07月27日 16時38分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 10047.19円 ▼50.53円
売買高 17億0216万株
売買代金 1兆1631億5200万円
値上がり銘柄 280銘柄
値下がり銘柄 1276銘柄
騰落レシオ 123.47% ▼14.46%

日経平均

米国株安やインドの利上げを懸念して売りが先行、好決算銘柄も何とか10000円水準を維持

 米国株は好決算を発表するものが多かったわりに軟調となり、為替は落ち着き、外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が買い越しと伝えられ、好決算を発表した銘柄も多かったのですが売り先行となりました。インドの利上げを受けて、これまで世界的な景気拡大をけん引してきた新興国の経済拡大スピードが鈍化するのではないかとの懸念もあり、売りが嵩んだものと思われます。ただ、寄り付きの売りが一巡となると、特に売り急ぐ材料も買い急ぐ材料もなく、個別の決算動向に敏感に反応する動きとなりました。為替は若干円高気味ではあったのですが、特に問題視されず、悪材料にも敏感に反応しながら指数は小動きとなりました。

 後場もさらに方向感に乏しい展開となりました。ただ、世界的な景気鈍化が実際にみえているわけでもなく、逆に足元の業績は好調なものが多く、売り急ぐこともなく、逆に欧米の財政問題に加え新興国での景気鈍化懸念が出て来たことで積極的に買い上がることもなく、指数は小動きとなりました。個別に業績動向やわかり易いニュースに飛びつく動きはみられるのですが、物色対象が絞られることも、方向感を持って深追いする動きもなく、指数に変化はみられませんでした。

 小型銘柄ももう少し幕間つなぎ的に買われるかと思ったのですが、これまで以上に、思った以上に手仕舞い売りも早めに出てくるという感じで、個別の材料に反応するのがやっとという感じでした。インターネット関連の一角は堅調となったのですが、代替エネルギー関連銘柄などに安いものが目立ち、売りが先行となりました。ジャスダックTOP20は大幅安、二部株指数や日経ジャスダック平均は軟調、東証マザーズ指数は小幅高となりました。いつも通り、先物はまとまった売り買いは少なく指数を方向付けるような動きもなく、本日も小口の目先筋の動きが中心となっていたようです。

 円高を嫌気したというコメントが多く聞かれましたが、最近では米国市場や為替動向に振らされることも少なく、ますます目先の値動きばかりが気になる相場となっているような感じです。何とか10000円水準を保ちましたが、そうかといってここから底堅さを確認して一気に戻りを試すと言うことでもないようです。米国でも決算発表に反応するものの長続きしないことが多いのですが、日本市場でも好調な決算を発表して買われても長続きがしない相場となっています。目先の値動きばかりを気にする向きが多いということなのでしょうが、好決算銘柄はまたどこかで見直されることもあるのだと思います。

テクニカル分析

日経平均

 軟調となりましたが、転換線にサポートされて底堅い展開となりました。ストキャスティックスは高値圏にあり、RSIは中途半端な位置にあって下落に転じそうで、一旦は上昇となっている基準線のサポートを確認するような場面もあるのかもしれません。方向感はいっこうに見えてこないのですが、雲のねじれの日柄までには動きが出ると思います。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.