コラム
» 2011年07月27日 08時00分 UPDATE

“フィッシュ哲学”――復活した魚屋に顧客対応と組織活性化を学ぶ (1/2)

シアトルのさびれた魚市場を復活させたと言われる、4つのシンプルな行動規範“フィッシュ哲学”。日本では病院で数多く導入されているが、会社組織でもフィッシュ哲学をもとに対応方法を見直してみてはいかがだろうか。

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著者プロフィール

川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

イニシアチブ・パートナーズ代表。京都大学教育学部卒業後、1988年にリクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・教育研修などに携わったのち、経営企画室で広報(メディア対応・IR)および経営企画を担当。2003年より株式会社マングローブ取締役・関西支社長。2010年1月にイニシアチブ・パートナーズを設立。ブログ「関西の人事コンサルタントのブログ


 米国のシアトルにあるパイク・プレイス公営市場にあった、さびれた魚市場がみんなで実践するようになって、見事に復活したという話で知られるのが、(魚市場なので)「フィッシュ哲学」と言われるものです。

 哲学と言うより、行動規範と言ったほうがしっくり来ますが、次の4つです。1と2は顧客対応、3と4は自分の気持ちの持ちようを表現しています。

1.Be there……そこで待ってて、すぐ行くよ

2.Make their day……楽しんでいってね。いい日になるよ

3.Play……遊び心を持とう

4.Choose your attitude……自分の仕事ぶりは、自分で決めよう

 1の「Be there」は、そこにいて下さいということ。せっかく来てくれた大切なお客さまをよく見て、放置することなく心のこもった声をかけ、そこまで行って要望をしっかりくみ取って商品を提供しようとする姿勢です。

 「陳列してある商品を持ってレジまで来てください」「買う商品が決まったら声をかけてください」という姿勢ではなく、こちらから行くという積極的関与を良しとする規範と言えます。

 2の「Make their day」は、お客さまを楽しませる、お客さまにとっていい日、いい時間にするといった意味。ありきたりの接客・接遇ではなく、店側と客側との楽しいやりとり、買い物が楽しくなるような言動や振る舞いを大切にすることです。

 また、お客さまが購入したものを持って店を離れる際には、「ここで買い求めていただいたものによって、良い時間や良い体験ができますように」と願うような、温かい声がけをしているような絵も浮かんできます。

 3の「Play」の遊ぶという意味合いは、ユーモアやしゃれっけ、お茶目さやヒネリやいたずら心などが感じられる様子のことでしょう。固く、マニュアル的で、どこか肩ひじの張った不自然な接客・接遇ではなく、ゆとりや余裕があって、お客さまとの心の通じ合いを基礎とした自然な振る舞いができるかどうか。

 商品や商談の基礎がしっかりとしていなければ難しい面もあるでしょうが、知識や技術だけでは不十分で、それらをお客さまの心に伝わるように、響かせるようにするためには、遊び心は欠かせません。

 4の「Choose your attitude」とは、仕事や顧客への態度を、自分で考えて選ぶこと。上司に言われたから、評価が気になるから、みんながそうしているから、顧客が求めているからといった、受動的な理由ではなく、顧客や自分や組織にとってどのような気持ちで仕事に取り組むのが良いかを自分で考えて決めるということです。

 他律的でなく自律的に、やらされ仕事ではなく、目的や目標を持って働くことの大切さを表していると言えると思います。

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