今年の夏は炭酸がアツい! 飲料市場に異変コンビニ、ヒット商品の理由(2/2 ページ)

» 2011年07月26日 08時00分 公開
[笠井清志,Business Media 誠]
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炭酸飲料の伸び

 紅茶カテゴリーの凋落(ちょうらく)を横目に、グングン売り上げを伸ばしているのが「炭酸飲料」。紅茶と対照的に、炭酸飲料は新商品が大量に投入され、大きく売り上げが伸びているのである。新商品の例としては日本コカ・コーラ『メローイエロー』、ハウスウェルネスフーズ『C1000リフレッシュタイムスパークリング ゼロ』などが挙げられるだろう。

日本コカ・コーラの『メローイエロー』と『スプライト』

 そして、ついに飲料市場で地殻変動が起こった。過去の飲料市場では「お茶」「ミネラルウオーター」「スポーツ」「紅茶」が四天王だったが、「お茶」「ミネラルウオーター」「スポーツ」「炭酸飲料」が新四天王になったのである。

 店舗でも、新商品は売り場のゴールデンライン(目に付きやすい棚)に陳列するよう、店員のDNAにインプットされているので、炭酸飲料は「新商品が多い→良い売り場に陳列される→さらに売れる」という好循環になっている。

 もしコンビニを訪れることがあったなら、飲料売り場を一度確認していただきたい。炭酸飲料の売り場を広げている店舗はしっかりと売上を確認し、対策を打てている店員の能力の高い店舗である。

あるコンビニチェーンの炭酸飲料と紅茶飲料の売り上げ前年同月比推移

 とはいっても、紅茶飲料が完全に消費者ニーズから離れてしまったわけではない。サントリーが7月12日に発売した『リプトン オレンジリフレッシャー』は久しぶりの目玉新商品である。これが販売好調なら、紅茶飲料の売り上げも再び伸ばすことができるだろう。

 だが、迎え撃つ炭酸飲料にも、花王『ヘルシアスパークリングクリアグレープ』という大型新商品が控えている。テレビCMも大量に投下されることから大きな売り上げが見込め、炭酸飲料全体の売り上げも伸びると予想できる。今年の夏飲料を制するのは「炭酸飲料」ということは間違いないだろう。

著者プロフィール:笠井清志

JR東日本リテールネット・コンビニエンス営業部長。ゼネコン、コンビニチェーン本部、コンサルティング会社を経て現職。小売業・サービス業を中心に多店舗展開チェーン(特に駅ナカ・空港等の限定商圏マーケティング)を中心に活動。NEWDAYSが2007年度から3年連続で1店舗平均日商でセブン-イレブンを抜いた実績のサポートを行う。月刊コンビニ(商業界)での執筆、海外メディア「Financial Times」等取材実績多数。著書に『コンビニのしくみ』(同文館出版)や『よくわかるこれからのスーパーバイザー』(どちらも同文館出版)がある。経営相談・講演・執筆等の依頼はこちら(kiyoshi1025@gmail.com)まで。


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