ダイバー視点で見るG-SHOCK FROGMAN「GWF-1000」「FROGMAN」レビュー(2/2 ページ)

» 2011年07月25日 16時28分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]
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GWF-1000の新機能

 1世代前のGW-200で、ソーラー充電システム「タフソーラー」が搭載された。これは、GWF-1000にも引き継がれているので、バッテリー切れを心配する必要がない。アウトドアレジャーのスキューバダイビングなので、太陽光にさらされない状態で使うということが想定できないのだが、スペック上はフル充電状態で連続8カ月駆動できる。

 GWF-1000の新機能は、大きく3つ。世界6局の標準電波に対応する「マルチバンド6」、潮汐情報を3段階のアイコンで表示する「タイドグラフ」、そして月齢を表示する「ムーンデータ」だ。

 マルチバンド6は、ほかのカシオ製腕時計にも搭載されているものと同じで、日本(福島と福岡)、北米、英国、ドイツ、中国の6局に対応する。ワールドタイムは世界48都市(31タイムゾーン)+UTC(協定世界時)の表示が可能だ。サマータイムに対応した設定もできる。

Frogman ワールドタイムをグアム「GUM」に設定して、東京の時刻と同時に表示。グアム時間の方が1時間進んでいる

 今回、ダイビングを行ったグアムはエリア外になるが、この場合は通常のクオーツ精度(平均月差±15秒)で動く。電波時計の恩恵は、国内でダイビングをするのであれば十分に得られる。しかし、海外の有名なダイビングスポットとなると、ほとんどが電波時計のエリア外になってしまうので「うーん……」となる。

 だが、冷静になって考えてみると、現地に長期滞在するようなダイバーでもない限り、帰国すれば正確な時刻に自動的にセットされるのだから杞憂というものだ。あとは、カシオが現在開発中の、スマートフォンと連携して正確な時刻に自動修正する技術が実用化されることを待ちたいと思う。

 タイドグラフは2000年〜2099年までの任意の日時のデータを約2秒で計算して表示する。標準では、GWF-1000のホームタイム都市に設定したところが表示されるが、都市コードを変更すれば任意の地点で再計算される。ムーンデータは、表示日の正午時点のおおよその形を表示する。北半球での見え方と南半球でのそれを切り替えることもできるので、必要に応じて設定したい。

 スキューバダイビングの教本では、潮の干満を考慮に入れたダイビング計画を立てなさいと指導される。潮位によって同じ水底でも水深が変わってくるし、思いっきり引き潮のときのビーチダイビングは水に浸かるまでに歩く距離が伸びるので嫌になる。ダイビング器材やウエイト(重り)などの総重量は20キロ近いからだ。

 だが、実際のところ、干満や月齢を気にして潜るダイバーはほとんどいない。その理由は、国内のダイバーは、潜水計画を現地のダイビングサービスのスタッフにおまかせしてしまうから。タイドグラフは、釣り人やサーファーほど活用していないのが本当のところではないだろうか。せっかくの機能なので、タイドグラフを活用して「もうすぐ潮の流れがゆっくりになる“潮だるみ”がくるので、それにあわせて潜ろうぜ!」などと玄人ダイバーを気取ってみたいものである。

Frogman タイドグラフ
Frogman ダイビングログ

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