大幅高の反動もあって冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年07月25日 16時15分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場はまちまちとなり、ハイテク銘柄などは堅調となったのですが、日本市場は円高に振れたことや外国人が売り越しと基調と伝えられたこともあり、売り先行となりました。米国でのデフォルト懸念も払しょくされたわけでもなく、また先週末に大幅高となったことの反動もあって売り先行となりました。いつものことながら寄り付きの売りが一巡となった後は物色対象も絞り切れず、相変らず盛り上がりに欠ける展開のなかで指数は小動きとなりました。後場に入ると手仕舞い売りや見切り売りに押される場面もありましたが、売り急ぐ動きとはならず、底堅さもみられました。

 テレビのアナログ放送が終わりました。そもそもなぜ地デジ化しなければならないのかの説明もないなかで、薄型テレビがどうしたと狂想曲となりました。東京近辺で考えるとこの時期に地デジ化するのではなく、何故スカイツリー運用開始時期に合わせなかったのか?など大いに疑問に思うことも多々あります。何故か自分の都合だけで物事を運んでいるような気もするのです。確かに液晶テレビの方がブラウン管テレビよりも電力不足には良いのかもしれませんが、テレビ局自体がもっと節電しても良いのではないかと思います。午後のピーク時にはNHKをのぞいて放送を休止するとか、輪番で休業するということがあってもいいのだと思います。

 株式市場では「エコポイント関連」などは騒がれましたが、あまり「地デジ関連銘柄」などは騒がれませんでした。アンテナとチューナーは少なくとも最低限必要になる人が多いのではないかと思われましたが、一過性の特需であり、特に問題視されなかったのだと思います。それでも地デジ化してどこかで誰かが得をしており、お金が大量に動いているわけですから、そのお金の流れを見ていけば「地デジ関連銘柄」として注目できる銘柄もありそうです。また、BS放送は従来通りなのですから、地デジ化を諦めてBSに絞った人などもいるかもしれません。実際にニュースを見るくらいであればBSだけでも十分と言えそうです。

 家電量販店やテレビメーカーなども潤ったのでしょうが、価格競争が激しい業種なので、どこまで利益が出たのかは問題となりそうです。また、地デジ特需の反動もありそうで、今後はテレビメーカーなどはかなり苦戦する可能性もありそうです。地デジが大騒ぎとなっている間に円高にも関わらずガソリン価格がじりじりと値上がりしており、地デジ化騒動が一段落、決算発表等が一段落となったあとは円高に対する懸念やガソリン高の影響なども取り沙汰されてくるのだと思います。そういえば、ケーブルテレビ会社等も地デジ化の恩恵を受けた会社といえるのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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