欧米の財政問題や個別の企業決算に振らされて方向感に乏しい展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年07月25日 08時33分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>10132.11△121.72

<TOPIX>868.81△8.70

<NYダウ>12681.16▼43.25

<NASDAQ>2858.83△24.40

<NY為替>78.54△0.23

欧米の財政問題や個別の企業決算に振らされて方向感に乏しい展開

 欧州での金融不安が一段落、米国でも財政問題が何とかなりそうだという雰囲気になり、堅調な地合いとなりました。ただ、朝方発表された建設機械株の決算が予想を下回ったことや中国の景気鈍化に言及したことなどが嫌気され、更に前日の大幅高の反動もあり、軟調となりました。ただ、前日の引け後に発表された複数の半導体株の決算が予想を上回り、強気の見通しを示して大きく買われ、ナスダック指数は堅調となるなど、企業決算に反応してまちまちとなりました。

 個別の企業業績に反応したと言う格好となりました。比較的好調な決算を発表する企業も多いのですが、中国など新興国の経済拡大の伸びが鈍化するのではないかとの懸念も根強く、米国外で先駆して業績を伸ばしてきたものなどが今度の伸びが期待できないという見方も出ているようです。ただ、世界規模で見た場合に経済の拡大は続いており、その中での米国企業の果たす役割などを考えればまだ業績の伸びる余地も大きい企業も多いのではないかと思います。センチメントは先週までは悪くないので、デフォルト回避の展開を見ながらということになるのでしょう。

 個別には朝方発表された業績が厳しいとの見方でキャタピラーが大きく売られ、連れてというわけでもないのでしょうが、GE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感銘柄にも軟調となるものがみられました。ただ、前日の引け後に発表されたアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やサンディスクは好調な決算、見通しを発表し大幅高となりました。連れて、インテルやアップル、IBMなども堅調、ハイテク銘柄は総じて堅調となりました。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカは週末の手仕舞い売りもあって軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株が大幅高となったことやユーロ高を好感して買いが先行、堅調とはなったものの週末ということもあり、手仕舞い売りも嵩んで上値も限定的となりました。ただ、後場に入ってから持高調整とみられるような買いが入り指数を押し上げ、大幅高となりました。米国株高とはなったものの円高気味であり、週末ということで手仕舞い売りやヘッジ売りも多いかと思われましたが、前週末と同じ様に意外高となりました。

 週末の米国市場はまちまちとなり、中国などの新興国経済、世界経済の鈍化懸念も出たことやヘッジ売りが多くみられたということでもなく逆に先週末の大幅高の反動から軟調な始まりとなりそうです。欧州金融不安は一段落となったものの、米国での財政問題も解決の糸口がみられていたものがさらにこじれるような展開になって、為替が円高に振れるようであれば再度下値を試すような動きになるのでしょう。米国で建設機械株が売られたこともあり、中国関連銘柄などには手仕舞い売りも出るものと思われ、代替エネルギー関連銘柄などが物色されるのではないかと思います。

 日経平均は10200円〜300円水準を上値、9800円〜900円水準を下値としたもみ合いとなってくるのではないかと思います。先週末の後場に急伸となった部分は週明けは下げるような格好で始まると思われ、まずは10000円水準を割り込むのかどうかを確認し、底堅さが見られると再度上値を試すということになるのでしょう。ドルが強含みとなれば、逆に上値を試し、上値の重さを嫌気して今度は下値10000円台での底堅さを試すような動きになるのでしょう。

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