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» 2011年07月25日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:“格安”商品の意味を考える (1/2)

デフレの恩恵で、食品から電子機器、サービスまで、さまざまなものが安く手に入るようになりました。しかし、低価格を実現できる裏には何があるか、しっかり考えるべきだとちきりんさんは主張します。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2005年6月15日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 バブル崩壊後、不況になり、この国の消費者は安いものばかり買うようになりました。メーカーもサービス会社も競争に勝つために、どんどん価格を下げました。日本は今や、ほかの先進国、もしくは中国の沿岸都市部などと比べても物価の安い国になりつつあります。

 そんな中、ちきりんが絶対買わないものがあります。安いミンチ製品です。500円のハンバーグ弁当や定食は食べません。

 なぜなら今のような「低価格のニッポン」という状態に、直感的な不信感があるからです。この国は土地も狭く(地価が高く)、人件費も高く、光熱費も物流費も高いんです。なのに、なんでこんな安いものが存在するのでしょう?

 理由として個別の材料費が不当に安く抑えられている可能性があります。低品質のものを混ぜ込むことで安くしたり、鉄骨の量を減らして高層マンションを建設する、みたいな話です。

 練り物や混ぜもの系の食品は、何が入っているのか消費者にはまったく分からないので、ちきりんが安いハムやミンチ商品を買わないのは、自分なりの防衛策です。

 また、社員がやるべき仕事を全部「アウトソーシング」というカタカナ手法で外注し、下請けに出して人件費を安くし、値段を下げている会社もたくさんありそうです。

 社会保険にも入れず、守秘義務やリスクマネジメントについての説明もトレーニングも受けていない外注の契約社員が、自分のPCに大量の顧客データを入れて作業する。そういうやり方でコストを抑えたら、情報流出が起こらない方が不思議です。

 時々すごい格安の海外旅行を見ます。12万円で欧州1週間……どうやって、そういう価格になるんでしょう? これを売っている旅行会社だって商売でやってるんです。どこに“からくり”があるのか、考えてから買った方がいいです。

 1つは「おみやげ屋さんめぐり」です。おみやげ屋は、ツアー客が買った分のキックバックを旅行代理店に渡しています。そのため、観光地をめぐる時間を削ってでも土産物屋に寄らざるを得ません(買わなくても「1人の客を連れて行くといくらのキックバックがもらえる」という場合もあります)。

 もう1つは、「飛行機で移動すべきところを、長距離バスで移動する」方法です。1人ずつの飛行機代や列車代の合計より、バスのチャーター料金の方が安いからです。

 この場合、移動時間が長くなるので、殺人的な運行スケジュールを現地の運転手に強いることになります。日本人観光客の乗ったバスが路肩に突っ込んで事故にあったというニュースが一時期続きましたが、「普通はそんな長距離をバスで移動しないでしょ?」というようなルートを走ってます。

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