後場に買い直されて大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年07月22日 16時02分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国株高を受けて買い先行となりましたが、方向感のない展開となりました。外国人も昨日までの売り越し基調から一転買い越しと伝えられたこともあり、値持ちも良かったのですが、週末ということもあり積極的な買いも手控えられていました。ただ、後場に入り底堅さ、値持ちの良さが確認されると持高調整とみられるまとまった買いが幅広くみられて指数を押し上げる場面もありました。先物主導というほど先物に買いが入ったわけでもなく、持高調整のまとまった買い戻しでもあったのかもしれません。

 指数は堅調だが全く盛り上がりに欠けるような展開が続いています。米国株高を好感して買われても円高が進むとか、買い一巡後は買い気も乏しくなるということが多かったような気がします。先週末や本日のようにまとまった持高調整とみられる買いが入ると一気に指数を押し上げることになるのですが、相場の方向性を持って、テーマに乗ってということでもなく、市場参加者の広がりもみられないような気がします。

 こっちが出っ張ればあっちが引っ込む、というような感じでなかなか「全面高」ということにもならず、かといって物色対象が絞られるわけでも循環物色になるということでもないので盛り上がらないという面もありそうです。例えば大型も新興市場の銘柄も「太陽光発電関連銘柄」が買われるというような状況であれば、じゃあ次は燃料電池だ、スマートグリッドだと循環することもありそうなのですが、その日にならないと動き出す銘柄がわからない、ふたを開けてみなければわからないということが多いようです。

 ただ、何度もこのコラムでいうように日替わりであちこち食い散らかしても相場全体の高揚感につながらず、市場参加者も増えないということになるのでしょう。政策の方向感がしっかりと定まる、あるいは決算発表動向から次の物色の傾向が示されるというような展開になれば市場参加者も増え、大きな上昇トレンドに入ったということになるのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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