MBA(Master of Business Administration=経営学修士)とは、経営学系の大学院課程を修了し、より実践的なマネジメント能力を得たことを証明する学位で、欧米、とくに米国では、ビジネス界における成功のパスポートとされている。
MBAの主な科目は、マーケティング、財務・管理会計、金融、統計学など。ケーススタディやグループワークなどの学習方法で経営学を学び、経営幹部に必要な「リーダーシップ」や「論理的思考」といった資質を身につける。プログラムは大きく分けると、実践的なケース・メソッド型と、講義を主体とする講義型の2つがある。
ひと昔前までは、MBAを取得するには欧米のビジネススクールへ行くのが定石だったが、現在は日本国内にもMBAプログラムを行っている大学院や教育機関が増加傾向にある。国内外のビジネススクールにはともに一長一短があるので、自分に合ったビジネススクールを見つけることが、MBA取得への第一歩となる。どこでどのように学んだ方が良いかは、自分がこれからどのように働き、どのようなキャリアを積んでいくのかということによる。以下に、そのメリット・デメリットを簡単にまとめておこう。
- MBAの知識だけでなく、海外経験も身に付く
- 世界中のエリートと競い合える
- 英語によるコミュニケーションスキルが磨かれる
- 世界の名だたる企業の経営幹部の講義を受けられる場合がある。
- サマーインターンシップ制度の利用やプログラムで、現地の企業に出入りし、最新企業組織の現状を理解し、体験できる
- 離職しないといけない。(会社派遣で行く場合は別)
- 留学費用が高額。米国で2年制のビジネススクールに通う場合、生活費も含めると、1000万〜1500万円が相場と言われている
- 欧州の場合は1年制が多いので、費用面ではアメリカより安く済むが、2年制とほぼ同じカリキュラムをこなさないといけないので、ハードな学生生活となる
- 家族を持っている人にとっては、海外に渡る事自体が高いハードルに
- 十分な英語力がないと、表面的な学習に終わる可能性がある
- 日本語でじっくり学べるため、理論を深く学べ、レベルの高いディスカッションができる
- パートタイム制(おもに夜間や土日に通う)や通信制を選べば、会社を辞めずにMBAを取得できる
- 海外へ行くより費用が安い
- 一部のトップスクールには、企業派遣の優秀な社員も多く集まるので、業界をまたいだ質の高い人的ネットワークを構築できる
- 家族への負担が少ない
- 仕事をしている場合、勉強と仕事の両立が難しい
- モチベーションの維持が難しい
- 英語力強化の機会が少ない
- 海外のビジネススクールと比べると、一部のスクールを除いては相対評価が低い。とくに海外においては、日本のMBAは欧米のMBAほど知名度がなく、評価については未知数である
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