景況感の好転もあってダウ平均は大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年07月22日 08時47分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>10010.39△4.49

<TOPIX>860.66▼0.55

<NYダウ>12724.41△152.50

<NASDAQ>2834.43△20.20

<NY為替>78.31▼0.47

欧米の財政問題など金融不安も薄れ、景況感の好転もあってダウ平均は大幅高

 欧州でギリシャ問題が一段落となったことや米国での債務上限の引き上げ問題に解決の兆しがみられたことから大幅高となりました。朝方発表された新規失業保険申請件数は横ばいの予想に対し増加となり雇用への懸念もありましたが、住宅価格指数が予想を上回って改善、フィラデルフィア連銀の景況感指数も予想を大きく上回るなど経済指標は相変わらず好調な数字を示したことも買戻しや買い直しを急がせることになったものと思います。

 世界的な景気後退懸念が薄れ、欧米での財政問題に対する懸念が薄れれば、改めて企業業績の拡大を見直す動きになるのだと思います。QE2(量的緩和)終了で資金の流動性に対する懸念もありましたが、金融不安が薄れればまだまだ投機、投資の資金は潤沢ということのだと思います。以前から述べているように景況感や企業業績が決して悪いということではなく、QE2終了に対する懸念から悲観的になっていたのだと思われ、悲観的な見方が減れば堅調な地合いが続くことになるのでしょう。

 個別には金融不安が薄れたことからバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェース、シティグループが大幅高となるなど銀行株を中心に金融株軒並み高く、決算で予想ほど損失が膨らまなかったモルガン・スタンレーも大幅高となりました。欧米の財政問題が一段落となったことで、世界的な景気拡大基調を織り込むように、キャタピラーやアルコア、GE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感銘柄も高く、同様な理由でアップルやIBM、グーグルなどのハイテク銘柄も堅調となりました。原油価格も高く、エクソン・モービルやシェブロンも堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株や為替への反応も鈍く、方向感のない展開となりました。手掛かり難の中で外国人も売り越し基調となり、一方で業績面からの不安も薄れて売り買い大きく偏らせるということもなく、また、物色対象も絞りきれず方向感に乏しい展開となったものと思います。欧米での財政問題などは一段落となった感もあるのですが、やはり業績動向をしっかりと見極めたいということや市場そのものの方向感、政策の方向感もみえないということで目先の値動きや材料に反応するのが精一杯ということなのだと思います。

 米国株高やユーロ高を受けて堅調な展開となりそうです。ドルが軟調なことや週末ということは上値を押さえる要因となるのでしょうが、先週末も3連休を控えていたにも関わらず手仕舞い売りが少なかったことをみると、積極的に買っていたわけでもないことから手仕舞い売りも限定されるのかもしれません。検された欧州金融不安や米国の財政問題が一段落となったことで、改めて決算発表の本格化を前に業績面から売られすぎた銘柄などを買い直す動きも見られるのでしょう。テーマの乗って買い上がるというよりは個別の対応となりそうですが、スマートフォン関連やスマートグリッド関連などが物色されるのではないかと思います。

 日経平均は10000円水準での底堅さが確認されて上値を試す展開となりそうです。ただ、節目とみられる10200円〜300円水準を一気に抜けて買い上がるほどの材料があるということでもなく、節目を目指す動きにはなるのでしょうが、さすがに週末の手仕舞い売りやヘッジ売りもあって上値も限られそうです。決算動向がはっきりするとか政策面で方向感がみえてくるまでは海外の環境が好転してもまだ10200円〜300円水準の節目を抜けずにもみ合いが続くのだと思います。

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