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» 2011年07月22日 08時00分 UPDATE

吉田典史の時事日想:30代前半の会社員がするべき4つのこと (1/2)

昇進して部下を持ったり、結婚・離婚したりするなど、会社員にとって人生のターニングポイントとなるのが30代前半の時期。この時期をうまく乗り切るために、4つのことを行うべきだと筆者は主張する。

[吉田典史,Business Media 誠]

著者プロフィール:吉田典史(よしだ・のりふみ)

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。

著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)など。ブログ「吉田典史の編集部」、Twitterアカウント:@katigumi


 前々回の記事で「20代の会社員は何をすべきか」をテーマに書いた。今回は、会社員は30代前半で何に重きを置くかという趣旨で私の考えを述べたい。30代前半は定年まで働くことを想定した場合、キャリア形成という観点から見て最も大切な時期と思う。

 多くの人は、この時期にターニング・ポイントを迎える。10年ほどのキャリアになり、後輩や部下を持ったり、転職をしたりする。会社を辞めて独立する人もいれば、早々と破たんし、会社に戻る人もいる。大学院や資格の専門学校に通うケースも見られる。辞めたいのだが、受け入れてくれる会社がない。そこでそのうさを晴らすために「会社にぶら下がるな」と後輩にけしかける人もいる。プライベートでは結婚をしたり、離婚する人もいる。良くも悪くも、同世代で差が出る時期なのだ。

30代前半でするべき、4つのこと

 ここでは特に30代前半を迎え、主任などになり、課長を補佐する立場の人をターゲットにしたい。これが、30代前半の会社員でいちばん多いタイプだと思う。この人たちが考えるべきことは主に下記のものである。

1.仕事の「型」を確実に身に付ける

2.会社員であることの意味を理解する

3.上司との関わりを深く、しなやかにする

4.心を安定化させるシステムを作る

 1の仕事の「型」であるが、これは前々回の記事で紹介した通りだ。例えばメールの書き方とか、報告・連絡・相談の仕方、営業部員で言えば交渉先の見つけ方やそこへのアプローチの仕方、交渉の方法などを意味する。会社員経験が浅い人は「型なんて関係ない。自主性が大切」などと言うことがある。

 だが、それは誤りだ。仕事の「型」は20代よりは経験が豊富な30代〜50代、いや、もっと上の世代から受け継がれてきたものだ。それらの中には非効率的なものもあるが、20代の無手勝流よりはマトモなものが多い。「型なんて……」と批判する前に、30代前半までに仕事の「型」を数百以上は身に付けたい。その上で自分なりに改良していけばいい。この時期にしか、できないことでもある。

 仕事をしていれば、「型」をマスターできると考えるのも甘い。優秀な人は、意識して仕事の「型」を身に付けようとしてきたタイプが多い。営業で言えば、漠然と営業先を見つけるのではなく、上司などの見つけ方を観察し、それをまずは受け入れる。その上でより高い成果が出るようにリフォームする。その蓄積が30代前半になり、形となって現れる。

 20代の社員からバカにされる30代前半の人には、この思考がない。その人たちの共通項は、仕事の「型」を意識して覚えようとしてこなかったことだ。職場にはさまざまな「型」があるが、それらができないと、仕事を処理するスピードも遅く、質も低くなる。例えば、交通費の精算にも「型」がある。それをマスターしていないと、精算のスピードは遅い。人は見た目でその人を判断する。「精算もできない奴」としか見られない。

 ここまで説明したことは、2の「会社員であることの意味を理解する」ことに通じる。会社という組織の論理や秩序、ルールをわきまえ、そのしがらみの中で結果を出して、自分を認めさせていく。これが、会社員である。「型」をマスターできない人が会社で認められることはありえない。「型」は、その会社の多数の社員が受け入れる文化であるのだから。文化に染まれない人が、その文化に慣れ親しんでいる人に高く評価されることはありえない。

 前々回の記事で中堅・大企業の人事評価を書いたが、30代前半の時期に「業績」だけでその社員の人事評価をする会社はほとんどない。むしろ、「業績」よりも「行動」、つまりは「型」に重きが置かれる。それをきちんと守り、一定水準以上の仕事ができているかどうかを上司らは見ている。

 評価の大きなポイントは、まさに「型」にある。「型」を確実に自分のものにしているならば、高い実績を残す可能性が高い。それこそが、会社員とは何ぞやを理解している人なのだ。会社員は、独自路線が許される個人事業主ではない。会社という「型の宝庫」と言える場で、認められてナンボなのだ。

 「型」を踏まえると、上司や周囲と仕事についての共有意識が芽生え、深い会話ができる。仕事をすることが面白くなる。チームの一員という意識もみんなで共有される。上司などとの間に信用・信頼関係がしだいに結ばれていく。こうなると、少々のミスも許されるようになり、おいしい思いもできる。後輩からもなめられない。これが、賢い会社員なのだ。

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