リーマンショック後、転職マーケットで起こったことメディアとWebと人材と(2/2 ページ)

» 2011年07月20日 08時00分 公開
[中嶋嘉祐,Business Media 誠]
誠ブログ
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“自分依存”の人でも企業の要件次第でマッチしない

 もう1人、冒頭で挙げた新規事業を経験して1つの事業を成功に導いた方。通常時であれば、たいていの企業で歓迎していただけそうな人材。にもかかわらず、不景気+年齢が上になってくると、企業側も採用に慎重になります。自社の求めている人物像と合っているか、これまでに残してきた実績は自社が求めているものか、規模は、対象領域は、経験している業務はマッチしているか、企業側の審査も厳しくなります。結果、書類審査で不合格となった企業も中にはあったのです。

 リーマンショック後のような採用氷河期においては、一流の人材であってもピンポイントで要件を満たしていないと採用されないかもしれません。将来的にどんな経験が必要になるのかを早めに認識し、その経験を積めるようにキャリアを積んでいくよう、景気の良い時からキャリアのことを意識しておく必要があるのです。

最悪の時の話だが最悪の時に備えておく必要性

 ここまでの話はリーマンショック以降の1年間くらいの出来事です。さすがに現在は、底を打っての回復基調。人材紹介会社の状況を見ていると、リーマンショック前とは比べものにならないほど書類通過率などが上がっています。

 転職マーケットは需給バランスで企業側の判断が変わってくるので、今回書いてきたような心構えは必要なくなるかもしれません。難しいことを考えずとも転職に成功することも増えるでしょうし、景気が良くなれば年収アップで転職できることも増えてくることでしょう。

 けれど、今後の日本にバラ色の未来は待っているのでしょうか? 長期的な視点で見れば、人生の中で何度かは不景気の底、氷河期はやってきます。私が就職したころは就職氷河期と言われていました。そして10年経った今も、新たな氷河期が訪れています。

 そんな時でも生き残ることができるサバイバル力のあるキャリアを築けているか。どんな時にでも必要とされるキャリアを歩めているか。平時からそんなことを考えておく必要があると私は思うのです。(中嶋嘉祐)

※この記事は、誠ブログリーマンショック後、転職マーケットで起こったこと」より転載しています。

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