手掛かり難のなか冴えない動きが続く清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年07月19日 16時18分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 先週末に3連休を控えていたにも関わらず堅調となったことの反動や米国株が軟調となったことなどから売り先行となりました。為替も落ち着いて来たとはいえ、円高気味であることには変わりないのですが、本日は外国人も売り越し基調と伝えられたことで、「日本買い」の流れに変化がみられたのではないかとの見方もあり、売りが優勢となりました。ただ、節目とみられる9800円〜900円水準を固めるかのように売り急ぐ動きもみられず、底堅い展開となりました。主力銘柄の水準訂正が一段落となった感もあるのですが、為替の影響の少ない内需関連銘柄などは値持ちの良い、堅調な展開となりました。

 手掛かり難のなかで指数は冴えない動きとなり、売買高も相変らず盛り上がりません。節電対策や地デジ対策で家電量販店は儲かっているといわれていますが、お客の入りを見ているとそれほどでもないような感じです。我が家でも地デジ対策に四苦八苦しているのですが、本当にこの時期に地デジに移行する必要があったのでしょうか?地デジに移行する理由も我が家でも家内に「何で地デジにする必要があるの?今のままで良いのに・・・。」と言われて説明できなかった自分が情けないのと同時に、これだけ大掛かりに移行するにしては総務省や政府はきちんと説明が出来ていないのではないかと思います。

 また、今は地デジのアンテナを東京タワーの方向に向けなさいといわれていますが、来春(でしょうか?)スカイツリーが電波塔として使用を始めると今度はスカイツリーの方角にアンテナを向けなければならないということで、二度手間としかいいようがありません。いったん何故に、この時期に地デジ移行する必要があるのか、しっかりと説明する必要もあるでしょう。また、地デジ化に当然のことながら費用がかかり、その費用を損失として、個人も企業も計上できるというようにしないといけないと思います。政府の都合で強制的に地デジ化させられ、費用もかかったのでは本当に何のための「地デジ化」なのかと思ってしまいます。

 地デジ化だけではなく、金融機関にとっては今回の金融証券取引法への移行にしても、金融機関の垣根が薄れたということは理解できるのですが、規制でがんじがらめにし、表向きは金融商品取引業界への参入を促すようでいて実際に参入しようとすると「投資家保護」の目的でかなり高いハードルを越えなければなりません。何でもかんでも簡単に自由にするということでもないのですが、本当に「住みやすい」環境や「投資しやすい」環境などを考える政策が必要ではないかと思います。とにかく、わけもわからず「地デジ化すること」「金融商品取引法を実施すること」が目的となって、本末転倒となっていることが多すぎるような気がします。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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