腐っていない電力を、腐らせよう原口一博×武田邦彦 それでも原発は必要か(6)(3/3 ページ)

» 2011年07月13日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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福島第1原子力発電所原子炉建屋上部における空気中の放射性物質のサンプリング状況(3号機、出典:東京電力)

武田:今回の事故を受け、国は巨大なエネルギーをマネージメントできなきことがはっきりしました。「できない」ということを認識し、そこからスタートしなければいけないのではないでしょうか。

原口:今はずっと続いてきたパラダイムを転換させなければいけないとき。つながることを大切にする、情報を共有することを大事にする、お互いを支え合うことを大事する――いわば“解決型のリーダー”が求められているときです。

 ところが原発事故を招いた関係者たちは「答えは1つしかない」ということを教わってきた。彼らは答えが1つしかないと思っているので、想定外のことが起きてしまうと、手を挙げてしまう。つまり逃げようとするんです。答えが1つしかないという教育を受けている人は、排他的で排外的です。

武田:残念ながら、その通りですね。

 →続く

プロフィール

原口一博(はらぐち・かずひろ)

1959年佐賀県生まれ。1983年東京大学文学部心理学科(第4類心理学)卒業。1987年佐賀県議会議員当選。1996年衆議院議員に当選。2003年民主党副幹事長。2009年総務大臣。この間、郵政民営化に関する特別委員会筆頭理事、総務委員会筆頭理事、拉致議連(北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟)副会長などを歴任。現在は衆議院総務委員長を務める。

著書に『ICT原口ビジョン』(ぎょうせい)、『平和 核開発の時代に問う』(ゴマブックス)などがある。

武田邦彦(たけだ・くにひこ)

1943年東京都生まれ。1966年東京大学教養学部基礎科学科卒業後、旭化成工業に入社。1986年より同社ウラン濃縮研究所長を務め、自己代謝材料の開発に取り組む。1993年より芝浦工業大学工学部教授、2002年より名古屋大学教授を経て、2007年3月より中部大学総合工学研究所の教授。また内閣府原子力安全委員会の専門委員などを歴任する。

著書に『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(洋泉社)、『偽善エネルギー』(幻冬舎新書)のほか、原発問題をテーマにした『原発大崩壊! 第2のフクシマは日本中にある 』(ベスト新書)などがある。


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