米国株が大きく売られたことを受けて大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年07月12日 16時12分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 9925.92円 ▼143.61円
売買高 18億3072万株
売買代金 1兆1985億7600万円
値上がり銘柄 245銘柄
値下がり銘柄 1306銘柄
騰落レシオ 131.90% ▼13.07%

日経平均

欧州金融不安や中国インフレ懸念等から米国株が大きく売られたことを受けて大幅下落

 欧州金融不安や中国のインフレ懸念、そしてそれに伴う世界的な景気鈍化懸念や米国の芳しくない雇用指標の発表などか米国株が大幅下落となったことを受けて日本市場も売り先行となりました。ユーロが大きく売られたことで輸出株などを中心にほぼ全面安、大幅安の始まりとなりました。寄り付きの売りがい順となった後は外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)が買い越しと伝えられたこともあって底堅い場面もみられました。戻りの鈍さを嫌気する動きやユーロが一段と下落したことなどから、売り直されて下げ幅拡大となりましたが、大幅安の割には比較的落ち着いた相場展開となりました。

 後場は大幅安水準ながらも方向感はなく、指数は小動きとなりました。日銀金融政策決定会合の結果が発表されましたが、2回連続で景気判断を引き上げたのですが、特に材料視することもありませんでした。日銀がETF(上場投資信託)を買うのではないかとの思惑もあって、下値をむきになって売り叩くような動きもなく、かといって逆に買い戻しを急ぐ動きもないという状況で膠着状態となりました。結局最後は見切り売りも嵩んで安値圏での引けとなりましたが、下値の節目を試す動きとなりました。

 小型銘柄も手仕舞い売りが嵩んで軟調なものが多くみられました。幕間つなぎ的に値動きの良い銘柄を買う動きもみられましたが、特にテーマ性があるでもなく、指数への影響はほとんどありませんでした。それでも、東証マザーズ指数とジャスダックTOP20は大幅安となったものの二部株指数や日経ジャスダック平均は軟調という下落に止まりました。先物はまとまった売り買いも散見され、指数を動かす場面もありましたが、追随する動きも方向感を持っての売り買いもみられず、指数を方向付けるような動きにはなりませんでした。

 日本では景気判断が引き上げられましたが世界的な景気鈍化懸念や信用収縮懸念も出ています。目先的な過熱感も強いことから引き続き悪材料には敏感な反応となりそうです。ただ、日経平均は9800円〜900円水準の節目を固める動きになってくるものと思われ、この水準からは底堅さもみられるのではないかと思います。米国企業の決算発表が始まりましたが、2つ、3つ好調な決算発表でもあれば雰囲気は変わってくるのだと思います。

テクニカル分析

日経平均

 急落となり、あっさりと転換線を割り込みました。次は基準線のサポートや雲のサポートを確認するということなのでしょうが、まだRSIやストキャスティックスは下落が始まったばかりで、下値を試す動きが続くのだと思います。

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