目先的な過熱感もあって手仕舞い売りも嵩み軟調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年07月11日 16時20分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

市況概況

日経平均 10069.53円 ▼68.20円
売買高 15億1588万株
売買代金 1兆0119億0900万円
値上がり銘柄 800銘柄
値下がり銘柄 714銘柄
騰落レシオ 144.97% △10.84%

日経平均

米国株安を受けて売りが先行、底堅さも見られたが目先的な過熱感もあって手仕舞い売りも嵩み軟調な展開

 米国市場が雇用統計が予想を下回ったことなどから軟調となったことや中国のインフレ懸念が強まったことから売り先行となりました。ただ、週末のヘッジ売りの買い戻しや外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社)が買い越しと伝えられたこともあり、底堅さがみられる場面もありました。目先筋の買い戻しなどもあって戻りを試すような場面もありましたが、買い急ぐだけの材料にも乏しく戻りきらず、指数は方向感なく小動きとなりました。特に物色対象が絞られているということでもなく、値動きの良さに連れる動きや主力銘柄の水準訂正の動きも続いており、総じて底堅い展開となりました。

 後場はいったん下値を試すように見切り売りが嵩んで下げ幅拡大となる場面もありました。ただ、目先的な過熱感を冷ますような調整感はみられるのですが、売り急ぐ動きはみられず、軟調ながらも底堅い展開となりました。幕間つなぎ的に買われていた銘柄にも手仕舞い売りに押されるものもあったのですが、円高傾向にも関わらず主力輸出株の中に、特に材料のないなかで値持ちの良い銘柄もみられ、全体としては底堅い雰囲気となりました。売り急ぐ動きがみられなかったことで目先的に過熱感が強いなかで、外部環境は冴えないなかで、底堅い展開となりました。

 小型銘柄はまちまちとなりました。先週までしっかりとしていたものが売られ、冴えなかったものが買い直されるというような展開で東証マザーズ指数は主力銘柄が冴えないなかで大幅高となりました。二部株指数や日経ジャスダック平均も堅調となり、ジャスダックTOP20は主力銘柄と同じように底堅いながらも軟調となりました。先物はまとまった売り買いはほとんどみられず、指数を動かすような場面はありませんでした。目先の小口の動きだけという感じでした。

 米国市場も底堅さもみられたことから、日本市場も決して外部環境は良くはないのですが、売り急ぐこともなく底堅さもみられました。相変らず物色対象が絞られるようなこともなく、目先の動きに振らされて右往左往するようなものが多かったのですが、買い方の回転が効いているということなのか、小型銘柄の値動きの良い銘柄は大きく値を飛ばすものもみられました。米国で企業決算が始まるところで、好調な決算が2〜3見られるようであれば再度買い直されるのではないかとの期待も根強いようですが、逆に芳しくない決算が相次ぐようであれば、日本市場も節目とみられる10200円〜300円水準を上値に今度は下値の節目である9800円〜900円水準を試すことになるのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

 先週末の水準が「捨て子」となっているような感じです。明日堅調な展開となってくれば良いのですが、明日の寄り付きが軟調となるようであれば、見切り売りも嵩んでいったん下値を試すことになると思います。目先的な過熱感も強くいったん、転換線や基準線のサポートを確認する場面もありそうです。

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