雇用統計の発表や手仕舞い売りが嵩んで軟調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年07月11日 08時32分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>10137.73△66.59

<TOPIX>874.34△3.86

<NYダウ>12657.20▼62.29

<NASDAQ>2859.81▼12.85

<NY為替>80.66▼0.60

予想を下回る雇用統計の発表を嫌気する動きや週末の手仕舞い売りが嵩んで軟調な展開

 注目された雇用統計は失業率が前月に比べて悪化、非農業従事者数も増加はしたものの予想を大きく下回ったことから売り先行となりました。大きく上昇となった後の週末ということで手仕舞い売りも嵩んで一時は大幅安となる場面もありました。ただ、逆に目先筋の買戻しが入ったことや今週から始まる企業決算に対する期待もあって下げ渋り、下げ幅を縮小して終わるというように雇用統計に対する失望感が強かったという割には指数は底堅いという印象でした。

 週末の芳しくない雇用統計を引きずることになるのか、企業業績の発表が始まることで、閉塞感払拭できるのかどうかが注目されることになりそうですが、中国のインフレ懸念や経済拡大鈍化が懸念され、欧州では引き続き金融不安が燻るという中で上昇となったことで、いったん躓くと調整となってくる可能性もありそうです。戻り相場が終わったというよりは目先的な過熱感もあり、上げ一服となるという感じで、企業決算動向を見極めて再度買い直すということになるのだと思います。

 個別には投資判断の引き下げのあったグーグルが下落、ヤフーも軟調となりましたが、マイクロソフトは堅調となるなど他の銘柄への波及も限定されました。金融不安が強まったということでもないのですが、手仕舞い売りもあってバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースは安く、同様に手仕舞い売りからインテルやキャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感銘柄は軟調となりました。原油先物価格は軟調でしたが、エクソン・モービルは高く、金先物価格が上昇したことから、パブリック・ゴールドなども高くなりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高やオプションSQ(特別清算指数)算出に絡む買いなどが入って買いが先行、外国人も引き続き買い越し基調ということで一時大幅高となりました。ただ、目先的な過熱感が強く主力銘柄の水準訂正も一巡となったこともあり、週末の手仕舞い売りに押されて上げ幅縮小となりました。前日まで値動きの良さを好感して大きく上げていたものの中に大きく売られるものもみられ、上値も限られたものと思います。

 週末の米国市場が軟調となったことや円高に振れたこと、中国のインフレ懸念が強まっていることなどから売り先行となりそうです。米国株は底堅かったのですが、シカゴ市場(CME)の日経平均先物は大きな下げとなっており、寄り付きは週末のヘッジ売りの買戻しなどもみられるのかもしれませんが、先週の大幅高の反動もあり、軟調な展開となりそうです。先週しっかりと水準訂正のように上昇した主力銘柄に値持ちの良い銘柄がみられるかどうか、また、幕間つなぎ的に節電関連銘柄などが物色されるのかどうかが注目されます。主力銘柄に売り急ぐ動きが出ると大きな下げとなりそうです。

 日経平均は一気に節目とみられる10200円〜300円水準を試す格好となり、目先的な過熱感もあり、いったんはここで調整となってくるのではないかと思います。大震災時に空けた窓を一つ埋めたような格好でもあり、調整は否めないものと思われます。下値は10000円台を固めるという可能性もありますが、やはり節目とみられる9800円〜900円水準での底堅さを試すことになると思われます。10000円を割り込む水準では売り難い、という雰囲気になるのかどうかが注目されます。

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